『物語のつづき』




ピンポイントで痛い。




『少し異物感もあるから、たぶん間違いないはず。』




ドレインチューブは、ボクの右脇3箇所切った所の下の切開部を利用して


挿入されている。




そのチューブが、ベッドサイドにタウンページ位あるプラスティックの


排液バッグに接続され、ボクの身体に溜まった血液や水分を排出する


役目をしている。




看護師は、その排液バッグの目盛を見て記録し、部屋を出た。




そして、ボクの体内に挿入されているチューブの先端が右胸の内膜に


当たっていると確信した。




その為、大きく息をすれば肺が膨らみチューブを動かして痛みが走る。


身体を動かせば、チューブも動き痛みが走る。




単純にそんな仕組みだった。




チューブ自体縫い付けられている為、引っ張って当たっている内膜から


離す事は出来ない。




大人しく、抜けるのを待つしか選択肢はなかった。




おやじが帰ってきて、ペットボトルのお茶とスポーツドリンクを1本ずつ


テレビ台の引き出すテーブルを出して、そこにストローと一緒に置く。




「あと、何かする事あるか?」




「大丈夫、ありがと。」




少し辺りを見回すおやじ。




「よし、じゃ行くわ。大人しくしとれよ。」




ニヤけながらおやじは言い、部屋を出て行った。




「はいはい。ありがとね。」




ボクも返す。




この痛みを緩和させるのは、むやみに動かない事と大きく息を


しない事って分かった今、大人しくしてるしかない。




そう言っても、元気に何かをする体力や気力は無いし、本より安静に


していなきゃいけなかった。







喉が渇き、テレビ台にあるお茶に左手を伸ばすが、10センチ程届かない。


身体を起こし取ろうとするが、案の定激痛が走りお茶どころじゃない。




痛みが治まるののを待ち、申し訳ないと思いつつナースコールを押した。




「は~い、伺いますね。」




スピーカーから看護師の返答が聞こえて、それからすぐ部屋に来た。




「どうされました~。」




「ホント申し訳ないんですけど、お茶の蓋開けて貰ってもいいですか?」




「あ~!いいですよ。あとストローも差しておきます?」




「ありがとうございます。お願いします。」


「あと、ひとつお願いがあるんですけど・・・。」