『物語のつづき』




少し身体を動かしただけで、『棍棒で突かれた部分』が痛み、身体が


反応しくの字になる。




その動きにまた痛みが走り、身体が反応してしまう。




痛みのループだ。




その為、極力身体を動かさずに痛み止めが効いてくるのを待った。


そうすれば自然と眠くなり、眠って時間が過ぎると思ったから。




しばらくして、痛み止めが効いてきたのか眠気が襲い始め、眠りに


就くか就かないかの辺りを意識がずっと彷徨っていた。




その状態のまま、ボクは朝を迎える。




看護師が巡回に来るが、『朝ですよ、起きてくださいね。』なんて


もちろん集中治療室で言うはずがない。




点滴の交換や会話の中で、朝なんだって何となく気付く。




「お水飲みますか?」




「はい。」




看護師は一旦離れ、透明なプラスティックの急須に水を入れて、


すぐに戻ってくる。




「ベッド・・・起こしますか?」




起こした方が飲みやすいのは確かだが、昨日の事があるので


看護師も問いに迷いがある。




「ゆっくり起こしてもらえます?」




起こすモードに『スピード調節機能』は無いけど、気持ちだけは


伝わった様だ。




「分かりました。ゆっくりね。」




そして、看護師はベッドのリモコンを持ち『あたま』の『上』ボタンを


押し始めた。




もちろんスピードは変わらない。




最初の振動で痛みを感じたが、昨日ほどの痛みじゃなかった。


まだ、痛み止めの効果があったのだろう。




『ゆっくり』ベッドは起き始め、45度付近で止めてもらう。




急須の水を看護師がボクの口に流し入れる。




ボクは一旦口に含んで、ゴクリと水を飲み込んだ次の瞬間、


激痛がまた走った。




あの痛みだ。