『物語のつづき』
「今、麻酔入れたんで大丈夫ですよ。」
「そうなんですか・・・。」
どんどん目が回って焦点が合わなくなってくる。
『このまま、目を閉じていいんだろうか?』
どうしていいのか分からない。
「どうしてたら・・・いいんですか・・・。」
言葉も上手く言えなくなりつつある。
「自然に眠ってしまうんで、そのまま我慢しなくていいですよ。」
しばらく、まぶたを閉じるのが不安で我慢していたが、耐え切れずに
まぶたを閉じる。
しかし、まだ意識は薄っすらとあり『麻酔ってそんなにすぐに効かないんだ』
と、その時思っていた。
医師たちの声も聞こえている。
「じゃぁ、そろそろ始めよっか。」
はっきりと聞こえる。
「喉頭鏡下さい。」
喉頭鏡が医師に手渡され、ボクの口が開かれる。
でも、何かオカシイ。
部分麻酔は、意識あるから医師たちの声が聞こえるって言うけど、
ボクが今されているのは、全身麻酔。
喉頭鏡が口に中に入り、舌を除け気管挿管する為の気管チュ-ブが
入れられるのが分かる。
ゴポゴポ喉が鳴り、ゲップが出そうになり出そうとするが、身体が
『言う事』を聞かない。
自発呼吸も試みるが出来ない。
『呼吸ができてない?』
何かオカシイ・・・意識はまだあるのに。
何度も自発呼吸を試みるが、身体が『言う事』を聞かない。
『このまま手術が始まるのか?』
『みんなこう言う感じなのか?』
『医師に知らせた方がいいのか?』
でも、自発呼吸出来ていないのに苦しくない。
人工呼吸が作動しているんだ。
「よし、じゃぁ身体横に向けるよ。」
医師が言うと、数名でボクの身体の向きを変える。
「せーのっ!」
その言葉の後、ボクの意識が途切れた。