『物語のつづき』
そして、手術当日。
ボクは、いつもと変わらない朝を迎える。
「岡田さん、おはようございます。」
毎朝の検温に、看護師がやってきた。
「おはようございます。」
手術前夜だからって緊張もなく、よく眠れた。
ボクは起き上がり、テレビ台に置いてある体温計を取り、左脇に挟む。
「今日ですよね?眠れました?」
そう言いながら、血圧計のベルトをボクの右肘辺りに巻きつけ、
空気を送り込む。
「はい。今日夕方からですね。眠れましたよ。」
体温も、血圧も異常はない。
「緊張しませんか?」
看護師がボクに問いかける。
「う~ん・・・まだ緊張しませんけどね、意識ある時に手術を
受けるのは初めてですからねぇ。」
「前の時は、もう意識無かったから、緊張も何も・・・気付いたら
集中治療室に居たんで・・・。」
「そっかぁ、大変だったですもんねぇ。」
「そうなんですよ。だから今回が、意識ある『初めての手術』
なんで、心の準備が必要なんですよね。」
この看護師は、前に廊下で立ち話を以前していた。
リハビリで、廊下を歩いている時に声を掛けられた。
「岡田さん、調子どうですか?」
「しんどいですけど、大丈夫ですよ。」
「私ね、救急にいて岡田さん入って来た時、知ってるんですよ。」
「えぇっ!?そうなんですか?」
「今まで、救急で見た中で一番苦しそうだったから、すごく
覚えてるんですよ。」
「あんなに苦しそうな患者さん、救急で初めて見たし。」
「でも、良かった。歩けるまでになったんですもんねぇ。」
「ありがとうございました。」
「本当に、あの時はビックリしましたよ。」
「どうしたの?突然だったの?」
ここから、家で倒れた時の経緯から少し話をした。
「じゃぁ、今日は絶食なんで薬だけは、少しのお水で飲んで
くださいね。」
「まだ時間あるんで、ゆっくりしててくださいね。」
看護師は、他の患者へまわった。