『物語のつづき』
そのリスクと言うのは、さっき説明を受けた内容に『同意書』
『意思確認書』等で、細かく裏面に記されている。
全身麻酔によるリスク。
最悪のケースは、20,000~30,000件に1件だが、喉の痛み
声がかれるのは、経験済みなので問題なし。
輸血によるリスク。
輸血するまでもない手術なので、これも問題なし。
特定生物由来製品使用によるリスク。
そもそも特定生物由来製品とは、主として人の血液や組織、
また動物に由来するものを原料又は材料として製造された
製品で、今回使用するのは2種類。
『生体組織接着剤ボルヒール』
心臓血管外科等の手術の際、他に処置を施す事のできない
血液/体液の漏出。この漏出防止を含めた『組織の接着・閉鎖』
に使用。
この分野で3番目だったのが、唯一の献血由来製剤であることと
安全性に関わる最新技術導入を図っていることで、シェア2位
になったらしい。
『ネオベールシート』
先生の説明にも出てきた、「シールみたいな物」だ。
生体内で吸収される、吸収性の胸膜補強材を貼付する。
若年者でも安心して使用可能で、吸収時に炎症反応で軽度の
発熱が起きる可能性以外、大きな副作用はないらしい。
裏面と、先生の話を聞きながら『たいしたリスクは無さそうだ』
と、ボク自身感じたが、入院当時のおやじやおふくろに話した
説明やリスクの大きさは到底比較にならず、2人の胸の痛み
が、分かった気がした。
「ただ・・・」
突然先生が、否定につながるだろう言葉を発した。
「はい。」
何だろう?
「ただ、レントゲンやCTの画像を見ると大丈夫だと思うんですが・・・」
何か問題あるんだろうか?
「ちょっと、背中側にあって採り辛い場合は、3cmずつ小さく
脇に2箇所切るって言ったのを、大きく1箇所を切るかも
しれません。」
「それは、まずカメラを入れてからの判断ですので、
分かりませんけどね。」
「そうなったら、どれくらい切るんです?」
大きい程、治りも遅れると思い気になる。