『物語のつづき』



悔しさと申し訳ない気持ちが竜巻の様に渦を巻く。



その渦に飲み込まれ、ボクの平常心は遠くへ吹き飛ばされて行く様だった。



「何があったの!?」



「またなぁ、結石ができてダウンしちゃったんだゎ。」

「今は点滴やって落ち着いとるわ。」

「まぁお前は心配せんでも、自分の事だけ考えとればいいから。じゃ切るぞ。」



「分かった。」



そう言いながらも、実際分かる訳がない。

心配するなと言われて、しない人がどこに居るだろうか。



『どうしよう。』



『何ができるだろう。』



竜巻に吹き飛ばされそうになりながらも、必死に大木につかまって平常心を保とうとする。



結局、今のボクに出来る事なんて何も無い。



ただ、1人でも多くおふくろの所に見舞いに行ってもらい、元気付けてくれる事をお願いするしかなかった。



すぐに里奈へ電話をした。



「もしもし、高幸だけど。」



「あ~どうしたの~。」



「色々ありがとうね。車出してくれたり、集中治療室に見舞いに来てくれたんでしょ?」



「いいよ、そんなのは。でもビックリしたわ。」



「オレもビックリしたわ。」



しばらく、当時の事と今の事を話した。



「でさぁ、おふくろが入院しちゃって…」



「知っとるよ。港までおじさんとおばさん乗して行ったから。」



「そうなんだ!ありがとうね。」



「今日、見舞いにも行ったよ。元気で歩き回ってたわ。」



「マジで!?」

「今回のオレの事が原因なんだよなって思って、申し訳なくてさぁ。」



「そんな事ないって!」

「あんたは、元気になって島に帰ってくる事だけ考えていればいいんだから。」

「なんだかんだ言っても、島でまた一緒に暮らせる事おじさんとおばさん楽しみにしとると思うから。」



今まで抑えていた物が、込み上げて溢れ出してくる。



「それからでも、恩返しはできるよ。」

「だから、検査もちゃんとやって調べてもらった方がいいよ。」



「またいつでも電話してきてよ。島に残ってる親戚(母方)は私とあんただけなんだから。」



「ありがと。」



「おばさんの所はまた行くから。じゃあね。」



彼女には、本当に助けられる。



それからボクの友人、おふくろの姉の所に電話していった。



いつしか竜巻は過ぎ、大木は倒れる事なく、根強く空に向かって立っていた。