『物語のつづき』



医師からおやじに病状の事が告げられ、今後の治療について話された。



「今は、点滴で抑える様にしていますが、カメラ飲んでもらって1度見てみようと思います。」



「そこで、結石を砕いて取れるか検討してみます。」


「ただ、岡田さんの場合ちょっと特殊なんで、無理にアプローチして腸が裂けてもダメですから慎重に考えますね。」



「よろしくお願いします。」



おやじはその日病院に泊まり、翌朝着替えを取りに家に帰った。






この時、ボクはまだこの事を知らない。






春日井の病院では、主治医がボクにPET-CTの検査結果を伝えに来ていた。


「岡田さん。PETの結果ねぇ…見付からなかった。」

少し暗い。



「はぁ…。」



「何もないって、良い事なんだけど!」

とっさに言い直す。


「確かに肺に影は見付かったけど、癌とかじゃなくて、おそらく血栓の名残だと思う。」



「そうなると、原因がまた分からなくなるんだよね。」



「そうですか。」



「いろいろ調べて考えますわ。」



「はい。お願いします。」



昔、バカな事言ってたのを思い出した。



ドラマや映画みたいに、血を吐いて倒れるとか病に倒れるとかカッコいい…。



バカだ。



現実、そんなドラマチックで綺麗な事など『ヒトカケラ』も無い。



あるのは辛さと虚無感だけだ。



ただ、そこから学んだ事はボクを大きく変えてくれた。






ボクは、この結果を実家に連絡しようと携帯電話を持って、デイルームへ向かった。






おやじは、家でおふくろの着替えや洗面用具をカバンに詰め、出掛ける準備をしていた。



そこに、電話が鳴る。