『物語のつづき』



1週間後、検査結果とレポートがクリニックから届き、主治医が入念にチェックをする。





その頃、実家ではおふくろが体調を崩していた。



数日前から『気持ち悪い』と、横になる事が多くなり、おやじも心配していた。


「病院行くか?」



「いい、いい。ちょっと横になってれば良くなるから。」


根拠は全くなく、我慢してるだけだ。



それでも夕食の支度をしようと、台所に向かう。



おやじも付いていき、手伝いながら夕食の支度をする。



居間に夕食を運んで食べ始めるが、おふくろに食欲はない。



「後片付けオレがやるから、お前はもう寝とけ。」



おふくろは布団を敷き、横になった。



おやじは後片付けを済まし、明日も漁に出る為、午後8時には床に就いた。






2時間程過ぎた頃、うなされる声におやじが目を覚ます。



ふと、おふくろに目をやると、ガタガタ震えていて唸っていた。



おやじはすぐに灯りを点け、おふくろに話かける。



「おい!どうした!大丈夫か!」



おふくろの顔は青ざめ、唇も青くなっていた。



「直ぐ病院行くぞ!」



おやじは、陸へ渡る船が終わっている為、まず海上タクシーに電話をし、出してもらえる様に頼む。



「もしもし、遅くに悪いけどね、救急車で病院行くから、今から船出してもらえる?」



次に、従姉の里奈に電話をする。



「もしもし、悪いな、こんな時間に。あのな、おっ母倒れちゃったもんで、港まで車出してもらえるか?」



「えぇっ!?分かったけど、おばさんどうしたの?」



「分からんゎ。急にガタガタ震え出してなぁ。悪いけど頼むゎ。」



最後に119番をコールする。



「もしもし、救急車1台ねぇ、師崎の港まで来て欲しいんだけど。」



「ケガですか?病気ですか?」



「急にガタガタ震え出して、唇も青くなってねぇ…。」



「分かりました。連絡先教えてもらえますか?直ぐに掛け直します。」



数秒後、電話が鳴る。



「もしもし、今から直ぐに救急車向かわせますから。」



「こっちは多分、20分くらいで船が港に着くと思うから、待ってて下さいね。」



電話を切ると、保険証など用意して、おふくろに上着を羽織らせ家を出た。



おやじは、おふくろをおぶって階段を下り、坂を下って浜辺の道へと向かう。



すると、里奈はもう車で待っていた。



「おぉ、ありがとうな。」



「おばさん大丈夫!?」



おふくろは、『大丈夫』と小声で返す。



里奈の車が港に着くと、海上タクシーの船の灯りが灯っていて、出港準備万端だった。



おやじは、再びおふくろをおぶって桟橋を渡り、船に乗り込んだ。



陸までは、約10分。