『物語のつづき』


「それでは、呼ばれるまでにお水を飲んで貰って、出来るだけ尿を出して頂きたいのですが、常温と冷たいのどちらがいいですか?」


「あぁ…じゃあ冷たいので。」

「尿を出すって、何かあるんですか?」



「あっ、はい。出来るだけ体内のアンモニアとか菌を出しておきたいんです。特に膀胱や腎臓に薬が集まって画像に強く出てしまうので。」



「へぇ~凄い繊細なんですね。」



どんな事でも、意味があるもんだ。



時間が来るまで、500mlのペットボトルを片手にリクライニングチェアに座り、設置されているTVを観て過ごしていると、スタッフがボクを呼びに来た。



「岡田様、時間になりました。」



時間を告げられ出ていくと、トイレに立ち寄ってから検査室に案内される。



検査室に入ると、CTをより重厚にした感じの機械が、部屋の中心で重々しくその存在を主張していた。



部屋自体の造りは、全体の流れを崩していないが、シンプルでPET-CTの存在感を引き立てている。



ボクがPET-CTの検査台に横になると、簡単に検査の説明がある。



ボクは、約30分ジッとしてるだけの検査で、CTとする事は変わらず掛かる時間が長いだけらしい。



CTと違うのは、機械の奥行きが深く、カットされていないバームクーヘンの様だ。






検査が始まり、ベルトでからだを固定されたボクがバームクーヘンの穴に頭から入って行く。



全身が入ると中で台が止まり、撮影が順番に行われていく。



終わる度に、足から少しずつ穴から出され、頭が出るまで身動きひとつとれない。



この状態で眠くならないわけがなく、気付くと眠っていた。






「もうすぐ終わりますからねぇ。」



スピーカーから聞こえる声で目を覚ますと、直に検査が終了した。



台がゆっくりと下がると、技士から『さっきの場所に戻って下さいね』と言われ、指示に従い戻る。



「お疲れ様でした。それでは、画像を持ち帰って頂くので、出来上がるまでお待ち下さい。」



再びリラックスルームに入ると、250ml紙パックの100%リンゴジュースが置いてある。



『いやいやいやいや、ちょっと前に500ml飲んでるのに、サービスでもそれはちょっと…』と思い、お土産に持ち帰る事にした。


その辺は、ちゃっかりしてる。



30分位で『お待たせしました。』と用意が出来た事を伝えられ、服を着替えてから1階のフロントに下りる。



フロントでの会計は、3万を少し下回る額の精算だった。



フィルムと領収書を受け取り、親戚の『関取』に電話をする。



近くまで来てる様で、あと5分程で到着するらしく、座って待つ事にした。