主治医も、ボクの見えない所で、沢山の患者たちを抱えてる中、
外来や検査、救急と走り回っている。
そして、その中のひとりにボクがいる。
原因がつかめずにいるから、忙しい中でも時間を割いてまで
調べているんだ。
改善させる方法を・・・。
きっと、ろくに睡眠も取っていないんだろう。
医師として、当たり前の事なのかもしれないが、そんな主治医に
ボクが何かを言えるはずがない。
翌日、再び造影剤を使ったCTを撮る為に放射線科へ移動をする。
昨日一度同じ動きをした分、要領はつかめているが、激しい痛みは
慣れない。
看護助手が車椅子を押し、放射線科へ向かう。
ナースステーションを横切る時に、看護師から『いってらっしゃ~い』
と、声を掛けられた。
些細な事だけど、心が温まる。
「ここの看護師さん、かわいい人多いでしょ?」
『親戚のおばちゃん』が、突然振ってくる。
「あぁ・・・そうですねぇ。」
看護助手の突然の問いかけに驚いた。
「いっぱい居るから・・・どうな人がいいの?」
「えっ!!・・・あぁ・・・もうみんなステキです・・・。」
返答に困った。
「独身の人が多いから、見つけちゃってよ。」
やっぱり『親戚のおばちゃん』だ。
放射線科に着き、受付を済ませてCT室に入ると、CTの横に
ロボットアームの様な器械がセットされている。
アームには、注射器が組み込まれてあって、自動で薬が押し
出される仕組みになっている。
車椅子が台の横に着き、台へ移動する。
前回と同じ技師だったので、ボクの状態が分かってた様で、ボクを
台の上まで持ち上げてくれる。
造影剤の説明があり、看護師が造影剤を注入する為の針をボクに挿す。
「痛みないですか?これから器械で造影剤を入れていきますけど、
途中で痛くなったりしたら教えてくださいね。 あと、身体が熱く
なりますけど、造影剤が入ってるからなので心配しないでください。」
「分かりました。」
台が、CTの機械の中に半分くらい入った所で止まる。
「じゃぁ、今から造影剤が入って行きますね。」
スピーカーから声が聞こえると、アームにセットされていた注射器
から薬が自動で押し出され、身体に入っていく。
まるで、ハリウッド映画の人体実験をするシーンの様だ。
台が動き出し、撮影が始まる。
薬が身体を巡っているのが、熱さでわかる。
腕から胸、腹、足、胸、顔と順に熱くなっていく。
撮影が終わると、看護師から『気分悪くなる事もあるから、その時は
すぐに言ってね。あと水分を多く摂ってください。』と言われながら
針を抜かれた。
台からは、自力で移動しようと試みて『あぁ~!!!』っと雄叫びを
上げながら、移動した。
「オレ、今スゴイ頑張った!!!」
つい言葉に出た、自画自賛。