夜中に目が覚め、熱っぽさは少し緩和された様に思えた。
トイレに行きたくなるが、ベッド上で安静の為尿瓶での排尿になる。
立つ事も座る事もできないし、この行為の経験がないので、どうすれば
いいのかが分からない。
いろいろ考えた結果、四つん這いになることにした。
身体を起こし、ベッド脇の手の届く位置に置いてもらっていた尿瓶を取り、
身体の傍に置く。
酸素チューブが邪魔になるので鼻から耳に架かっている
チューブをはずす。
まだ、自分の着替えやパンツなどが無いため、病院が用意した
手術着の様な物とオムツをはいている。
オムツのテープをはがすのに両手を使わなければいけない為、一瞬
膝立ちになりテープをはがす。
ここまでで、すでに息切れを起こしている。
そして、四つん這いになり行為に入るが、右手を尿瓶に使うので
左手だけで身体を支える事になる。
左手はプルプル震え、力を入れている為、呼吸を止めている。
ただでさえ酸素が必要なのに、力を入れ、呼吸も止めている事で、
かなりの体力を消耗していた。
行為が終わり、尿瓶を元の置いてあった位置に戻し、
オムツをはき直してからナースコールを押す。
部屋の扉が静かに開き、懐中電灯で照らしながら看護師がやってきた。
「どうしました?」
ボクは言葉が出せない程体力を消耗し、息を切らしていた為
『すいません。尿瓶の処理お願いします。』のジェスチャーをして
看護師に伝えた。
「あ!はいはい。」
そう言うと、尿の量を尿瓶の目盛りを見て計測し、メモを取ってから
トイレへ流しに行った。
その間にボクは、手術着の乱れを整え、酸素チューブを耳に架けて鼻から
入ってくる酸素を吸い込む。
看護師が戻り、尿瓶を置く。
ボクは『ありがとう。』とジェスチャーでお礼を言う。
この行動は、利尿剤が投与されてる事もあって、多い日で夜間5回も続き、
私服に変わってからもパンツの上げ下げだけにかなりの体力を消耗し、
ゴムの力に苦労させられた。
朝になり、看護師が採血をしに来た。
朝食前に行う為、ボクはまだ完全に目覚めていない。
「昨日は、あまり眠れませんでした?」
「そうですねぇ。」
「部屋が変わったって言う事もありますしね。」
「はい。終わりました。今日はあとでレントゲンを撮りに行って
もらいますんで、また呼びに来ますね。」
「わかりました。」
ようやく、ちゃんと目が覚める。
そして午前中、看護師がボクを呼びに来た。