朝食が終わり、相変わらず半分ほどしか食べられない。
食べなきゃ、首の点滴が取れないのは分かっているけど、
まだ身体が受け付けない。
午前中に採血を済ませ、主治医が部屋に入ってくる。
「どう?ご飯食べれてます?」
「・・・半分くらい。」
「そうですかぁ・・・食欲ない?」
「そんな事はないですけど、入っていかないですねぇ。」
「そっかぁ。・・・点滴取りましょう。」
「えっ?」
「半分でも食べれる様になって来てるんで、取ります。」
「まじっすか!ありがたい。」
「でも、その分ちゃんと食べて下さいね。」
「わかりました。」
そして、首に入っていた点滴の針が抜かれ、ちょっと圧迫させるように
止血のガーゼとシールが貼られる。
~よし、もうちょっとだ。~
首がある程度動けるようになり、寝返りも横転防止の柵をつかんで、
何とかほんの少しだけ横を向ける様になってきた。
が、自力では、まだ身体を持ち上げる事ができない為、ベッドを
起こしてもらい身体を立てる。
そこで、初めて自分の下半身を見る事ができた。
足はまだ、ベッドに沿って少し曲げ伸ばしができる程度で、
立てに折り曲げたりする事はできない。
足を動かすと、ドレインチューブが一緒に付いて動く。
たまにベッドから落ちて、焦って足を反対方向にずらしドレインチューブを
ベッドに引っ張り戻す。
そこで気づいたのが、ボクが「オムツ」をしていた事だ。
これには、かなりのショックが胸を打った。
定期的にベッドサイドの下に何かを計測しに来ては、計ったものを
別の容器に移していた。
あまり気にならなかったが、それはボクの尿だったんだ。
尿道に管を差しこみ、自然に尿が流れ出る様になっている為、違和感なく
排出されていた。
とても恥ずかしく、自分のこの姿に『情けない』って気持ちが走る。
この気持ちを整理させるのには、少しの時間が必要だった。