ちょうど食べ終わった頃に、おやじが入ってきた。
そして、ボクを見て驚く。
「何だ!もう食べていいの?ビックリした。」
相変わらず、いいリアクションをする。
「俺も、またラーメン食べて来たよ。今日は、店員がみんな
女性ばかりでなぁ、日によって入れ替わるんだな。」
すでに常連化してるラーメン屋の近況を教えてくれた。
「そんなに旨いなら、退院したらそのラーメン屋にいかなきゃね。」
些細な事だけど、ひとつ別の目標が出来た。
そして、この頃から飲み薬が用意された。
バリウムの様な白い液体と、スライムの様な緑の液体、粉薬と粒の薬。
この薬を飲むのには、結構な気合が必要だ。
不味さで、飲んだ後意味も無く笑えてくる。
その後は穏やかに時間は過ぎ、就寝の時間が来た。
自分の意思で眠る事は、意識が戻ってから初めてで、怖さを感じる。
~眠って、このまま目が覚めなかったらどうしよう。~
目を閉じると、暗い中に赤、黄、緑、青の透き通ったパイプの様な物が
部屋をくねくね走っていく。
目を開けると、何もない。あるわけが無い。
これも幻惑か?
そして、どんどん身体に痛みが出始め、吐き気も覚える。
ナースコールを押して、看護師を呼ぶ。
「どうかしました。」
「身体が痛くて、気持ち悪い。」
「痛み止め入れようか。ちょっと待ってね。」
看護師は、部屋を出る。
少しして、点滴に注入する注射を持って戻ってきた。
「30分位で効き始めるからね。」
ボクは、苦しさに耐えれずうめき、身体をよじる。
看護師は見守る事しかできない。
「看護師さん。もどしそう。」
「受けるもの持って来るね。」
そして、銀のトレイにビニールを引いて持ってきた。
何度も嗚咽をし、もどそうとするが胃液しか出てこない。
ただ苦しい。