しばらく痛みの余韻が残り、脱力感がボクを襲う。
そして昨日の様に、いつのまにか眠りに就いてた。
夜中に目が覚めると、偶然なのか看護師が点滴らしき物を持って
作業をしていた。
意識がまだ朦朧としている。
そこでボクに見えたのは、黒い液体の様な、どろどろしている感じの
物を点滴しようとしている看護師の姿だった。
「それ、なんですか?」
思わず口にするが、意識は朦朧としている。
「あぁ、これはね・・・。」
~殺される?~
何故か、もの凄い恐怖と幻惑に駆られる。
「いかん!止めて!止めて!ダメ、ダメ!・・・。」
看護師が答えようとするのを遮る様に、ボクはわめき出す。
もちろん身体は動かず、首だけを左右に振っているだけだった。
そして意識が遠くなり、眠りに就いた。
朝になり、目が覚める。
「おはようございます。」
看護師が声を掛けてくる。
ふと夜中の事を思い出し、看護師に聞いてみた。
「昨日、何かレトルトパックみたいな、ホルモンの様な物
点滴してたのって、何です?」
看護師は、不思議そうな顔をしながら考える。
「あぁっ!それは昨日、貧血気味だったんで輸血してたんだと
思いますよ。」
「レトルトパックでホルモンって、光の加減でそう見えたんですかね。」
表現が可笑しかったらしく、看護師は笑ってた。
「そうかぁ・・・。だってね、パックの表裏がくっついてる所って光を通すから
ちょうど、ぐねぐねした感じでそうなってたんですよ。だから、ホルモンって
・・・えぇ~っ!ってビックリしました。」
「夜勤の看護師さんに、おかしな事言ったかもしれないから『すいません』
って、言っておいてもらえます?」
「わかりました。大丈夫ですよ。」
『よくある事ですよ』と言わんばかりに、看護師は笑顔で返してくれた。