翌日、午前中に主治医が来て、ボクの状態を診る。
昨日と変わらず、悪い中でも安定している。
その結果、午後に覚醒させる事になった。
おやじは、午後に行う事を伝えられデイルームで待つ事にした。
おふくろにも、おやじからこの事は伝わっている。
そして午後、麻酔を切る。
約30分後、主治医がボクに声を掛ける。
「岡田さん。岡田さん。」
反応は無い。
再び、声を掛ける。
「・・・ん。・・・さん。」
「・・・田さん。岡田さん。」
・・・誰か呼んでる。
・・・何?
「岡田さん。わかりますか。」
ボクはゆっくりと目を開け、声のする方を見た。
「岡田さん。今、8月の28日です。わかりますか。」
「倒れて、病院に運ばれて来たんですよ。」
~えっ!?28日って、確か21日だったのに、どう言う事?~
全く理解できていない。
「岡田さん。血栓っていうのが血管を詰まらせて、身体に酸素が回らなく
なってしまったんです。」
病院に運ばれて来て、苦しくてもがいている所までしか記憶が無く、
自分に何が起きていたのかが主治医の話で分かり、大変な事を
してしまったと思った。
それも、こんなに大掛かりな器械があって、全身チューブでつながれて、
こんな事、テレビドラマだけの世界でしか考えられなかった。
それが、ボクに起きるなんて・・・。
そして、その時に最初に執った行動が、指が動くかを試した。
次に腕が動くか試してみたが、腕が重たくて上がらず、肘を曲げ
胸元に手を持って行き、着衣を軽く剥ぎ胸を見た。
これは、手術して開胸したのかが知りたくて自然と手が出た。
「岡田さん。大変だったんですよ。」
主治医のその言葉に、ボクはうなづく。
「お父さん呼んできますね。」
看護師がボクに話すと、部屋を出て行った。