そして翌日の午後、検査が始まる。
「心エコー」
胸にエコーを当て、心臓の弁の動きや血流、血圧などを調べる。
ボクの場合、肺動脈圧の数値が重要になる。
主治医が、器械をボクのすぐ横まで近づけ、先端部分にジェルを付ける。
そして、それをボクの胸に当て始めた。
無言で検査は進んでいくが、モニターを見ながら
「う~ん。」と、たまにつぶやく。
やはり、まだ肺動脈圧が高い。
おやじが別室に呼ばれ、主治医から検査結果の説明を受ける。
「また、肺動脈圧が上昇していますね。」
「・・・。」
「再塞栓の可能性があります。」
「このあと、カテーテルを使っての肺動脈造影検査をしながら
血栓の破砕と、吸引を試みたいと思います。」
「・・・はい。」
「で、昨日もお伝えしましたが、その状況次第で人工心肺から
離脱できると思います。」
「ただ、状況が悪化する可能性もあるという事を
知っておいていただきたいんです。」
「はい。」
「ひとつは、血栓が取れない可能性。ふたつ目は再度、
血栓が詰まる可能性。最後に、出血が止まらない可能性が
考えられます。」
「これは、命が助からない可能性もあると言う事です。」
「・・・はい。」
また、おやじの言う「おどし」を聞かされた。