翌朝、なかなか寝付けずソファーで横になっていた体を起こすと、
見回りに来ていた守衛の方と目が合った。
「どうか、されました?」
「昨日、息子が救急で運ばれて・・・」
と、昨日起きた出来事を話し始める。
守衛さんは、話しを聞きながら何度も相槌を入れ、最後まで
おふくろの話しに付き合ってくれた。
「お母さんも、無理なさらないで下さいね。」
そう言い残し、守衛は見回りに戻って行った。
しばらくすると、看護師や医師達が外来の準備の為、診察室に
入って行く。
「おはようございます。」
あいさつを交わしてくれる看護師の笑顔に、少しの安らぎを覚える。
おやじが、立ち上がりどこかに向かった。
少しして戻ってくると、紙コップに注がれたホットコーヒーを
持ってきた。
冬でもないのに、両手で紙コップを包むように持ち、温もりを
感じている。
二人は、時間を掛け飲み終えると、僕の居る集中治療室に向かい
歩き出す。
集中治療室に着くと、インターホンを押し面会の許可を得る。
「岡田ですけど・・・。」
「あっ、はい。すぐ開けますね。」
扉が開く。
手順通り消毒などの作業を済ませ、中へ入る。
昨日も味わったが、ここは漂う空気が違う。
「おはようございます。」
看護師にあいさつを済ませ、ボクの部屋に入る。
あいかわらずボクは、操り人形の様だった。