その頃実家では、漁師のおやじが漁から帰って来ていて
2Fの風通しの良い部屋で昼寝していた。
おやじは、「ちりめんじゃこ」の漁師をやっている。
漁獲量は日本一と言われている島だ。
おふくろは、おやじが持ち帰った魚(市場に出すまでもない魚)を
晩御飯用に仕込もうとしている。
すると電話のベルが鳴り、いつもの様におふくろが出た。
「もしも~し」
「岡田さんの、親御さんですか?」
「・・・はい」
「実は今、息子さんの高幸さんが・・・」
「ちょっと待って下さいね。」
おふくろは、半信半疑でもかなり心配してる感じ。
駆け足で、2Fで寝てるおやじの所に行く。
「お父さん、お父~さん!」
「ちょっと、電話に出て!」
「私じゃ、話わからんから」
もうすぐ70歳じゃ、しょうがない。軽く気も動転してるし。
少し寝ぼけた感じで、おやじが電話に出る。
「はい。」
「高幸さんが倒れられて、今救急車で病院に搬送されました。」
「私は春日井市民病院の、石田と言います。非常に状態が危険です。
これからすぐ、こちらへ来れますか?」
電話越しに、僕の苦しくうなっている声が響いてる。
「・・・すぐって言っても、遠すぎる。それに、そんな所まで
行った事ないから、行き方もわからんよ!」
事態が飲み込めたが、どうしたらいいのか分からず動揺してた。
「ここへの、来かたを教えますので、メモ取れますか?」
先生は、ゆっくりやさしく教えてくれた。