娘とキッチンに立つようになってから、1年が経とうとしている。
娘が3歳半の時に料理に興味を持ちだし、夕食作りを一緒にするようになった。
最初の頃は、時間と心に余裕がある休日のみだったが、休日だけでは満足できない娘は平日もキッチンにやって来た。
もちろん、毎日キッチンに立たせてあげたい気持ちはある。
しかし、危険がいっぱいなキッチンに3歳児を立たせるリスクと、見守りの比重が高くなって作業が全然進まないことへの苛立ちを考えると、「お願いだから平日は勘弁して」というのが本音。
ただ、「危ないから」「時間がないから」と遠ざけても、娘は「見るだけでいいから」と台を持って来て少し離れたところから見ていた。
見るだけなんて、つまらないのでは?と思ったが、娘はジッと見ている。
料理と言えば、卵を割ることにしか興味がない息子とは大違いだ。
だから、「この興味を無下には出来ない」と、平日でも簡単な作業をお願いするようになった。
何かをさせる前には、思いつく限りの「これをこうするとこうなるから気を付けてね」を伝えるが、そこは3歳。
本人的には気を付けていても、「あっ!!!」ということは多々ある。
今まで大きな怪我はないにしろ、指を切ったり火傷したりなんてことは何度もあった。
その度に「もうキッチンに立たせるのはやめよう」と思う私。
でも、いくら痛い・熱い思いをしても、娘はキッチンに来るのをやめなかった。
覚悟を決めた私は、一通りのことをさせてみることにした。
幸い、娘は一度やった失敗は二度としない。
同じ火傷でも状況はまるで異なり、こうしたら火傷、こうしても火傷、と学んでいるような気がした。
だから、「この際、あらゆる失敗をして学んでくれ」と思った。
それ以降、過保護を捨てた私と並んでキッチンに立つことが、娘の毎日の楽しみとなった。
マイ包丁は2本
ほぼ1本しか使わない私よりも充実している。
毎日続ければ上達するもので、切る時間も早くなったし、怪我もほとんどしなくなった。
工程もよく理解していて、使う調理器具、調味料も頭に入っている。
油跳ねする恐れがある時は、自ら距離を取るし、私が言わなくてもできることが本当に増えた。
4歳半の現在、味噌汁はほぼ一人で作れる。
子どもを危険から守るのが親の役目だと思うが、子どもが身をもって知る危険があってもいい。
今後は、小学生になるまでにさらに一人で作れる料理を増やし、小2くらいで休日の昼ご飯作りを任せられるようになるのが目標だ。
私も料理は好きだが、大して上手くはないため、娘には私を超えて行ってほしい。
食事は毎日摂るものだから、料理ができるってすごい強みだと思う。
この1年、台所育児は大変だったが、これで娘が将来、料理ができなくて困ることがないと思えば、たやすいことだ。
これからも一緒に料理しようね。


