熱心に解剖学を勉強すると、動作に於いても沢山の情報が得られます。

筋肉、骨、筋膜、関節可動域、神経伝達、などなど。

勿論これらは、本当に大切な情報です。ですが、リアルでは、これらが同時多発的に発生するのです。つまり、それらを悠長に分析している暇などありません。大切なのは、まずは全体を大まかに捉えようとすることです。

私は、動作の連動性を見ることからスタートします。

全身が連動していれば、細かいエラーは大した問題ではありません。結構簡単に修正できます。連動性を高める為の言葉掛け程度で十分に修正が可能です。

もしも全身の連動性が不十分なら、そこからがより具体的な階層での分析になるのです。つまり、ブレイクダウン的なアプローチです。

・〇〇筋が上手く働いていない
・△△の関節可動域が不十分
・XXラインで筋膜の繋がりが途切れている

みたいな感じです。

そして、そこに意識を向けて改善を促してから、改めて全体的に捉えに行く様にアプローチします。

ところが、悪い意味で解剖学的にアプローチしてしまうと上手く行きません。正解を積み上げて、正解を作ろうとしがちになります。つまり、ビルドアップ的なアプローチです。すると、何かを直すと別の何かが崩れ、そこにアプローチすると、他の何かがズレて、みたいな感じになりがちです。

何かをする、指導する際には、まずは大まかに身体を捉えることだと考えます。