少年がハンマーで何度も自分の親指を叩いていた。


その様子を目撃した人が不思議に思い、「どうしてそんな痛いことをしているのかね」とたずねた。


すると、少年はこう答えた。

「叩くのをやめたときに気分がよくなるからさ」


これは他愛もないジョークのようだが、ひとつ重大な真実を言い当てている。



それは、この少年がハンマーによって自分に苦痛を与えていたように、私たちも自分の感情によって自分に苦痛を与えているということである。



私たちは感情の反応が自動的だと思っているようだ。


つまり、何かが起これば、それが私たちに自動的に反応を起こさせるというふうに考えているのです。


しかし、実際にはそういう仕組みにはなっていない。


感情は内面の働きである。

何かが起こったとき、いやだなと思うのは自分であり、自分の感情によって自分で叩きのめしてしまうのである。


苦痛を伴うこのような感情を自分でつくっていることを認めないから、外的な原因に責任を押しつけて自分がその犠牲になったと感じるのだ。


しかし、それでは何も解決しない。

その反対に、自分の心の状態は自分に責任があると認めれば、人生を創造する素晴らしいパワーが得られる。


そのパワーを利用すれば、うまくいかない解決策を試すのをやめられるだけでなく、もはや自分の気分を自分以外のものに左右される必要がないことがわかるはずだ。 



自分で自分を傷つけなければ、

多くの苦しみが避けられる。