フラワーカンパニーズ【深夜高速】


『生きててよかった』と繰り返し歌う

 真意とは



結成から30年を超え、今なお精力的に活動を続けるフラワーカンパニーズ、通称フラカン。

彼らの代名詞ともいうべきこの曲が人々の胸を打つ理由はどこにあるのだろうか。



耳に残るフレーズ


叫ぶように歌われるサビ。

ボーカルの鈴木圭介さんの熱い声が、強く胸を打ちます。

曲の全てを知らなくとも、ここだけは耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。


初めて聞いた人にもインパクトを与える、印象的なフレーズです。

タイトルは「深夜高速」。

熱い歌とは裏腹に、真暗な情景をイメージさせる題名がついています。



「生きててよかった」ことを

歌っているのかと思いきや


歌詞を見てみると「生きててよかった」と繰り返しのフレーズが続きます。

しかし、その後に続くのは「そんな夜を探してる」という一文。


つまり、まだそのように思えていないということでしょう。



「生きててよかった」というフレーズは、曲が進むほど熱をこめて歌われます。

それはきっと歌詞の通り、「そんな夜」を強く求めて探し回っているからでしょう。



「生きててよかった」と思える夜を得ることこそが目的なのです。

それを得るために彼らは走り続けます。



けれど「生きててよかった」かどうかはその人の感じ方によるものです。

数値のような明確な基準で表せません。

そのためそれが得られたかどうかはとても曖昧なものです。



感情を素直に、そしてきちんと受け取れるように、胸を「全開」にしておく。

そうすればわずかなことにも心が震わせられるような自分でいる。


たとえそんな小さなきっかけでも強く思うことができるでしょう。

「生きててよかった」と。

そしてその機会はきっとより多く訪れるはずです。

走り続けることを止めてしまわない限りは。



青春時代は満ち足りない思いを抱える時期。そんな時期を過ぎると人は大人になります。


いわゆる大人は、そんな"欠けた"状態でもなんとか生きていきます。

我慢したり、足りないままやっていくことに慣れたり。

それを"分別がつく"というのかもしれません。


けれど追い求めることを止めて慣れると、その分心が麻痺してしまうことがあります。


物事を素直に受け止めたり、生まれた感情を素直にあらわしたり。

そういうことができなくなっていくのです。


わがままを言いすぎるのは社会にとってよくないことかもしれません。

けれど自分がどう感じてどう思うかを忘れてしまったらどうでしょう。



それはきっと自分自身をなくしてしまうことにつながるのではないでしょうか。



人間に生まれる感情の中には、良いものもあれば悪いものもあります。

心を開いて全てを受け止めるならば、嫌な感情が生まれることもあるでしょう。

そしてそれは人生が長く続けば続くだけ増えていきます。

けれど、そうだとしてもいいから心を開いていたい。



だからこそ、どんどん熱をこめて彼らは繰り返します。

「生きててよかった」という気持ちを探しているのだと。



わずかなことも逃さず受け止めて、心を震わせられる自分でいたい。

そう主張しているというより、自分自身に刻み付けているかのようです。


そう、旅を続けていくうちに彼らも歳をとります。

大人と呼ばれる年代を生きていくうち、強い気持ちを忘れかけてしまう可能性もあるでしょう。



それこそ音楽は人の心を震わせるもの。

感情を込めていなければ、聴衆に伝わるものもありません。


つまり彼らが走り続けるためには、

「そんな夜」が必要なのです。

または、それを得たいと思う心が。

もしかしたらそれが「青春ごっこ」の真髄なのかもしれません。



走ってどこかに行くためというより、走り続けること。

つまり、生き続けること。

そのために彼らはずっと

「生きててよかった」夜を探し求めます。


もしかしたらそれは、私達自身の姿でもあるのかもしれません。

それがどんな些細なことであっても、それがあるから生きていける。


そんなものに心当たりがある人は多いのではないでしょうか。



青春時代を超えてなお、人生は(幸運ならば)続きます。

それを継続していくことはなかなかに困難なものです。


つまり、人生を続けるには「生きててよかった」という気持ちが必要なのです。



けれど大人になると、そんな気持ちを拾い上げることが難しくなってしまう。

だからこそ、繰り返しそれを求める熱い気持ちに胸を打たれるのです。


この歌にたくさんの人が共鳴する理由は、そこにあるのかもしれません。





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フラワーカンパニーズ【深夜高速】



青春ごっこを今も 続けながら旅の途中

ヘッドライトの光は 手前しか照らさない

真暗な道を走る 胸を高ぶらせ走る

目的地はないんだ 帰り道も忘れたよ



壊れたいわけじゃないし 壊したいものもない

だからといって全てに 満足してるわけがない

夢の中で暮らしてる 夢の中で生きていく

心の中の漂流者 明日はどこにある?



生きててよかった 

生きててよかった

生きててよかった 

そんな夜を探してる



年をとったらとるだけ 増えていくものは何?

年をとったらとるだけ 透き通る場所はどこ?

十代はいつか終わる 生きていればすぐ終わる

若さはいつも素裸 見苦しい程ひとりぼっち



生きててよかった 

生きててよかった

生きててよかった 

そんな夜を探してる


生きててよかった 

生きててよかった

生きててよかった 

そんな夜はどこだ



僕が今までやってきた たくさんのひどい事

僕が今まで言ってきた たくさんのひどい言葉

涙なんかじゃ終わらない 忘れられない出来事

ひとつ残らず持ってけ どこまでも持ってけよ



生きててよかった 

生きててよかった

生きててよかった 

そんな夜を探してる


生きててよかった 

生きててよかった

生きててよかった 

そんな夜はどこだ


いこうぜ いこうぜ 全開の胸で

いこうぜ いこうぜ 震わせていこうぜ


もっともっと もっともっと

見たことない場所へ


ずっとずっと ずっとずっと

種をまいていく


全開の胸 全開の声 全開の素手で

感じることだけが全て 

感じたことが全て


生きててよかった 

生きててよかった 

生きててよかった


生きててよかった 

生きててよかった

生きててよかった 

生きててよかった