「薬は飲みすぎてはいけない」という認識は皆さんお持ちではないでしょうか?
薬は用法用量が定められていますが、これは別の意味では「用法用量を守らないと危険性がある」という事です。
したがって、多くの人が薬は危険な面もあると認識していると思います。
しかし、「栄養」についてはどうでしょう?
「食べ物だから、栄養はいくら摂取しても良い」
このように考えていませんか?
もしこのように考えているとしたら、大きな間違いです。
栄養の中には、摂りすぎると「過剰症」を引き起こす栄養素が存在するのです。
例えば、栄養素の過剰症について何も知らずにサプリメントを摂取していると、過剰症を引き起こしてしまう可能性があるということです。
栄養素の過剰症と、過剰症を引き起こす栄養素について紹介していきます。
「栄養素には、摂り過ぎてはいけないものがある」という事です。
サプリメントによる過剰症問題
日本では栄養の不足よりも、栄養の過剰摂取の方が問題であります。
現在の日本では、食べ物が豊富にあることによる過剰症も問題ですが、もうひとつの問題は「サプリメント」や「栄養強化食品」の存在です。
※トクホや機能性表示食品も含みます
近年の健康志向から、多くの人がサプリメントを摂取するようになりました。
さらに最近では「特定保健用食品」や「機能性表示食品」などの登場から、より需要が高まると思われます。
しかし、ここで覚えておかねばならないことがあります。
サプリメントの中には特定の栄養素が強化されて配合されているものがあり、物によっては、大量に摂取する事で過剰症が起こる危険性があるという事です。
さらに近年は日本のような先進国だけではなく、発展途上国内でもサプリメントや栄養強化食品が出回っており、間違った摂取が多くの過剰症を引き起こす要因となっています。
それでは、何を食べ過ぎると過剰症になってしまいやすいのでしょう?
過剰症を引き起こしやすい栄養素は
「ビタミン」と「ミネラル」
過剰症を引き起こしやすい栄養素は、主にビタミンとミネラルです。
ビタミンやミネラルといえば、多くの方が「体に良い」「安全」というようなイメージを持った栄養素です。
しかも、ビタミンやミネラルを含んだサプリメントは、コンビニやドラッグストアでも手軽に購入できるので、非常に身近な存在です。
もちろん、ビタミンやミネラルは体に良い栄養素です。これは断言できます。
体の調整をしてくれ、体の回復をスムーズにしてくれます。
しかし反面、ビタミンやミネラルの中には、摂り過ぎてはダメなものがあるという事を覚えておかねばなりません。
これを知らない人は、「トクホだから安心」「機能性表示食品だから安心」と考えてサプリメントを大量に摂取してしまいがちです。
しかし、これを行っていると、過剰症で体に不調を招いてしまう可能性があります。
そうならない為に、次に過剰症が起こる可能性のあるビタミン、ミネラルを紹介していきます。
過剰症をきたすビタミンとは
「脂溶性のビタミン」
過剰症を引き起こしやすいビタミンの種類は、主に「脂溶性のビタミン」であることが特徴です。
ビタミンには、
水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と
脂に溶けやすい「脂溶性ビタミン」が
存在します。
水溶性ビタミンは、不要な分は体の外に排泄されるので過剰症が起こりにくいの性質をもっています。
例えば、ビタミンとして認知度が高い「ビタミンC」は水溶性なので過剰症の心配は少ない栄養素になります。
一方で、以下に紹介する脂溶性のビタミンは、体に蓄積しやすいので過剰症が起こりやすい栄養素です。
◉ ビタミンA
目に良い栄養素として有名ですが、過剰に摂取し過ぎると過剰症になる可能性があります。
■過剰症
【急性】頭痛、吐き気、嘔吐、脳脊髄液圧上昇
【慢性】体重低下、頭蓋内圧亢進症、皮膚のはがれ、脱毛、筋肉痛、関節痛、骨障害、脂肪肝、甲状腺機能低下、奇形児の発生リスク増加、小児の骨異常
特に妊婦の方はビタミンAの過剰摂取に注意。ビタミンAの過剰摂取は、胎児の奇形リスクを高めることが分かっています。サプリメントの摂取は控えた方が良いでしょう。
◉ ビタミンD
■過剰症
高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害、動脈硬化、骨折
※石灰化は、筋肉、脂肪、血管で起こりやすくなります。
◉ビタミンK
■過剰症
嘔吐、腎障害、貧血
◉ ナイアシン
■過剰症
皮膚発赤作用(皮膚が赤くなる)
◉ビタミンB6
■過剰症
知覚神経障害、末梢性感覚性神経痛、
シュウ酸腎臓結石発生のリスク増
過剰症をきたすミネラル
ミネラルも微量栄養素で、人間にとって必要な栄養素です。
しかし脂溶性のビタミン同様、多く摂りすぎると過剰症の危険性があります。
特に、近年では添加物として使われており、加工食品を多く食べる人には過剰症になりやすくなっています。
それでは、過剰症を起こす可能性があるミネラルの種類を見てみましょう。
◉ナトリウム
■過剰症
高血圧
ナトリウムとは、簡単に言えば「食塩」です。食塩もミネラルであるという事を覚えておきましょう。
◉リン
■過剰症
カルシウムの吸収を妨げる、副甲状腺亢進
リンは食品添加物としてよく使われているミネラルです。
「リン酸塩」という名前で原材料に書かれています。コンビニ弁当にも使われていたりしますのでご注意を。
◉ カルシウム
■過剰症
幻覚、脱力、食欲不振、腎・尿路結石
◉ 鉄
■過剰症
ヘモクロマトーシス(血色素沈着症)
※ヘモクロマトーシスとは、体内に過剰の鉄が溜まってしまい、臓器障害をきたす疾患です。
◉マグネシウム
■過剰症
傾眠、低血圧
※傾眠とは、うとうとして、睡眠状態に入りやすい状態。意識がなくなっていく第一段階といわれます。
◉カリウム
■過剰症
腎機能障害、不整脈
◉ 銅
■過剰症
溶血性黄疸
◉ヨウ素
■過剰症
甲状腺腫
◉マンガン
■過剰症
鉄欠乏性貧血、傾眠、低血圧
◉セレン
■過剰症
皮膚障害、脱毛、貧血、呼吸障害、肝硬変
◉亜鉛
■過剰症
貧血、発熱、胃の不快感
◉クロム
■過剰症
肝臓障害、腎臓障害、肺がん
◉モリブデン
■過剰症
成長障害、貧血
栄養素の中にも摂り過ぎてはいけないものがあるという事です。
特に今回紹介した過剰症の可能性のある栄養素は、サプリメントとして販売されています。
もちろん、素晴らしい力を持ったサプリメントも存在しますが、それらを安易に過剰摂取してしまうと危険です。
