NFTと暗号資産の違いは、端的に言えばトークンが代替性か非代替性かどうかということである。
暗号資産は、FT(Fungible-Token:代替性トークン)であり、資産個別の識別情報を無視して「〇〇万円分の資産価値を持ったデジタルデータ」として扱うことで、他の暗号資産や現金と交換できる。つまり、暗号資産は代替可能なトークンだ。
一方、NFTは各作品の識別情報も踏まえて資産価値を与え、他の同等作品とは交換できない唯一無二の存在として扱う。
したがって、同じようなデータでもまったく異なるし、その金銭的な価値は相対取引によってのみ決まるケースも多いだろう。
芸術作品などとの相性が良いのはこうした理由からだ。
また、イーサリアム(ETH)は、ヴィタリック・ブテリン氏によって開発されたプラットフォームの名称だ。
ここで使用される仮想通貨はイーサという名称だが、日本では、プラットフォームとイーサをどちらも「イーサリアム」と呼ぶケースが多い。
現在、NFTの取引の大半はこのイーサリアムブロックチェーン上で取引されている。
イーサリアムはプラットフォームになっているが、オープンソース・ソフトウェア・プロジェクトのため、中央で管理する者がいないのも特徴だ。
NFT市場の過熱に合わせて、プラットフォームとしてのイーサリアムも仮想通貨のイーサも評価を高めている。
一方で、NFTで注目を集めているがゆえに競合の台頭も著しい。
イーサリアム以外のブロックチェーンプラットフォームプレイヤーが出そろってきた。
今後はこのプラットフォーム同士の戦いが始まる。
かつての検索エンジンやECサイトで見られた競争と同じことが起こるだろう。
NFTの持つ3つの特徴
NFTの持つ特徴は、大きく分けて3つある。それがプログラマビリティ・取引可能性・相互運用性だ。
1.プログラマビリティ
プログラマビリティとは、2次流通で手数料が入るなど、さまざまな付加機能をそのデータ自体に付与できるということだ。
その好例となるのが、転々流通時の手数料だ。ある絵画を画家から購入した画廊が、顧客にその絵画を販売したとしよう。画廊から顧客に販売する際、画家には収入が入らない。
しかし、NFTなら作者の手を離れても、「転々流通時に購入代金の一部を支払う」というプログラムを仕込むことできる。
そのため、1次創作者に継続的にマージンが入る仕組みを作ることもできるし、著者権管理を行う中間団体(たとえば音楽で言うとJASRACのような団体)が存在しなくても済むことになる。
転々流通はあくまでプログラマビリティの要素の1つに過ぎないが、「今後は従来の物理的な取引では想像もつかない仕組みが構築される可能性がある」(國光氏)という。この特徴はNFTの持つ特徴の中でも最も重要な要素と言えるだろう。
2.取引可能性
NFTは、オーナーシップが特定のサービスベンダーではなく非中央集権的なブロックチェーン上に明記されている。
このため、所有者は、ビットコインなどのように、所有しているNFTを自由に移転できる。
このことを「取引可能性」と呼ぶ。
これにより、国や既存の枠組みにとらわれることなく、従来以上に自由な取引が可能になる。
3.相互運用性
NFTの仕様は、現在のところ共通規格として定められているため、この規格に沿って発行するサービスなら、どこでも取り扱うことが可能だ。
なお、NFTを扱うイーサリアムブロックチェーンの規格は、ERC721が一般的である。ただ、現状、技術的に相互運用性は完全ではなく、この規格が必ずしも標準というわけではない点には注意が必要だろう。
