「ブッダ」とは、仏のさとりを開かれた方のことです。


お釈迦さまとはどう違うのかというと、お釈迦さまは35歳で仏のさとりを開かれたので、それ以前はブッダではありませんが、35歳からはブッダです。


約2600年前、仏教を開かれ、世界の三大聖人のトップにあげられます。


ブッダは神ではなく、お父さんもお母さんもいる歴史上の人物です。

ブッダは、一体どんな方で、どんなことを教えられたのでしょうか?


ブッダが悟りを開かれるまでにどんなことがあったのかを知れば、

ブッダがどんなことを教えられているかが分かります。




誕生日は4月8日


約2600年前、インドのカピラ城に

浄飯王とマーヤー夫人という妃が住んでいました。

2人には長い間子供がなかったのですが、もう子供ができないかと思っていた頃、マーヤー夫人が身ごもられました。


今日同様、マーヤー夫人は出産のため、隣の国の実家に帰ろうとしたところ、

ちょうどルンビニー園という花園にさしかかった時、産気を感じ、そこで出産されました。


時あたかも4月8日、ルンビニー園には

一面花が咲き誇っていました。

そのため今日でも、お釈迦さまの誕生日、4月8日を「花祭り」といって祝います。

マーヤー夫人は、もう実家へ返る必要がなくなり、カピラ城へと帰ってゆきました。



お母さんが亡くなる


ところが、高齢で産後の経過が悪かったのか、1週間後に亡くなってしまいます。


浄飯王は、最愛の妻が亡くなった悲しみもありましたが、もう無理かと思っていた跡取り息子ができたということでは、

大喜びでした。

シッダルタ(悉達多)太子と名づけてかわいがりました。


やがてかわいがっているうち、

「見れば見るほど賢そうだ。さては将来大物になるに違いない、

どんな立派な人物になるのだろう」


当時、国一番の占い師・アシダ仙人を城へ呼び、聞いてみることにしました。



アシダ仙人の予言


ところがアシダ仙人は、じーっとシッダルタ太子を見ていたと思うと、

やがて涙を流しました。


知り合いに自分の子供を見せたら、

急に泣き出したとしたら、何事かと思います。


浄飯王も「このめでたい席で不吉な涙を見せるとは何ごとか。

事と次第によっては許さん」

激怒して刀に手をかけました。


アシダ仙人は

「これはこれは申し訳ございませんでした。

私が見たところ、太子様は一目でただ人ではないと分かりました。

将来は、全世界を支配する伝説の転輪王(てんりんのう)となられるか、

無上のさとりを開かれる仏陀となられましょう。

いずれにしろ、二度とこの世に現れないようなお方です。

しかも、どちらかといえば、私には仏陀(ぶつだ)になられるように感じます。

ところが私はもう年ですから、この方が将来無上のさとりを開かれて、

真実の教えを説かれるころには、もうおりますまい。

目の前にそんな真実を説かれる方を目の前にしながら、

その真実が聞けないなんて、なんと残念なことかと、

涙せずにはいられなかったのです」


それを聞いた浄飯王は、

「なんだ、そういうことであったか、ならば許そう」

と大変満足したのですが、

それならぜひとも転輪王になって欲しいと、教育によって何とかしようと思ったのです。



抜群の才能


浄飯王は、シッダルタ太子がまだ非常に若い時に文武の家庭教師をつけました。

当時国一番の学者であったバッダラニーと、国一番の武芸の達人、センダイダイバーの2人です。


今で言えば、ノーベル賞学者とトップアスリートを家庭教師につけて英才教育を始めたようなものです。



バッダラニーの申し出


やがてしばらくすると、バッダラニーが 

「どうかやめさせてください」 

と王様のところへやってきました。


浄飯王は驚いて

「どうした、何か太子がいたずらでもするのか?

給料が足りないのなら、2倍にしてやる」

と言うと、


バッダラニー、

「いえいえ、王様、とんでもございません。

太子様は、大変まじめに学んでおられますが、

一を聞いて十を知り、十を聞いて百を知る大変聡明な方です。


最近は何か私の知らないことまで知っておられるようで、

太子様の質問に答えられません。

もう私には教えることがありませんから、どうかやめさせてください」

と言います。


浄飯王は

「まあそれなら仕方ない」

とやめることを許したそうです。



センダイダイバーの申し出


またあるとき、センダイダイバーがやってきました。

「私もついでにやめさせてください」


「一体どうした?

浄飯王が尋ねると、


「実は私は、特に弓の達人と言われていますが、

そんな私でも、100回射れば1発は外します。

ところが、太子様は百発百中すべてど真ん中を射ぬかれる。

乗馬をしても、私は息切れしながらやっとやっと乗りこなしますが、

太子様はどんな暴れ馬も乗りこなされる。

もう教えることは何もありません。どうかやめさせてください」


それを聞いた王様は、

「まあそういうことなら仕方がない」

とやめさせたそうです。


それ以降、太子は一人で学問に励んだり、武芸の鍛錬をされるようになりました。



悩みと結婚・子供


ところが成長するにつれ、

太子は物思いにふけられるようになりました。


浄飯王は、アシダ仙人が言っていたことを思いだし、心配になってきます。

何度も理由を尋ねるのですが、

憂鬱な太子は何を聞いても答えません。


そこで浄飯王

「太子もそろそろ年頃だし、きっとお嫁さんが欲しいんだろう。

私の時がそうだった」

と、妻をめとらせることにしました。


そこでシッダルタ太子は19歳のとき、

国一番の美女といわれたヤショダラ姫をお嫁にもらいました。

するとしばらくは明るい太子になったのですが、それも一年間だけでした。


やがて子供が生まれると、太子は「ラーフラ(羅睺羅)」と名づけています。

ラーフラ」とは「束縛者」という意味です。


子供が生まれると、何とか子供に健康に育ってもらいたいと、

自分がやりたかったことを我慢して、

お金と時間を使って子供を育てるので、

束縛されて苦しみますよ、ということかもしれません。


そして太子はまた、憂鬱な生活に入ってしまいました。



毎日遊び暮らす……


浄飯王は、仏のさとりを悟ろうなどという望みをなくさせなければなりません。

一体何を悩んでいるのだろう。

金か、おいしい食べ物か。

色々与えてみますが、何を与えても、太子の顔色は晴れません。


太子の悩みは、浄飯王の考えていたことではなかったのですが、 

普通、人が欲しいと思うありとあらゆるものを与えて尽くしてしまいます。


そしてついに浄飯王は、季節毎に一番快適に過ごせるように、

四季の御殿をつくらせ、500人の美女をはべらせて、太子を明るくしようとしました。


あなたはもし豪邸で、毎日仕事もなく、美味しいものを食べ、

ずっと遊んで暮らせるとしたら、うらやましいでしょうか?


太子の悩みはそんなことではなかったので、まったく悩みはなくなりませんでした。


一体太子の悩みは何だったのでしょうか?



3つの願いとは


やがてある日、シッダルタ太子は、浄飯王に手をついて、

「私をこの城から出させてください」

とお願いに来たのです。


浄飯王は驚いて、

「四季の御殿も建ててやったし、

五百人の美女もはべらせた。

美味しいものを食べて毎日遊ぶだけなのに、

一体何が不足でそんなことを言うのか?」


「お父さん、実は私の望みは3つあります。

それさえかなえてくれるなら、城を出なくてもかまいません」


はじめて、その悩みを打ち明けました。


1つ目の願いは、いつまでも今の若さで年老いないことです。


2つ目の願いは、いつも達者で病気で苦しむことのないことです。


3つ目の願いは、死なない身になることです


それを聞いた浄飯王、

「それは、どんな権力をもってしても、どうしようもない。

年をとれば、病気になるし、やがては死んでいかねばならない」


「私はそれが悩みなんです。

老・病・死、これが解決されなければ、

何のために生まれてきたのかわかりません。

死ぬために生きているようなものです。

これを解決するために、城を出させてください」


太子が言うと、

「それはどんな人でもさけられないことなのだから、

何とかあきらめて私の後を継いでくれないのか……

と浄飯王は、城を出たいという太子の願いを一旦保留にしたのでした。