幸福の多様化する社会の中で、今後自分がどう生きるかを真剣に考えてほしい。


それを考えるための指針が、モノの「所有」でも、国家間競争の中での「勝ち上がり」でもないことはわかっている。


では、これから人々の幸福の指針となるものは何か?


「感情のシェア」である。


あなたが自分自身の「楽しい」や「嬉しい」「気持ちいい」といった「快」の感情をシェアすると、そこにたくさんの賛同者(いいね!)が集まり、つながっていく。


そして、そのつながりが関わった人たち全員に豊かさをもたらす。

この共感が、これからの世界を動かす原動力なのだ。


もちろん、「快のシェア」をグローバル単位でやるか、ローカル単位でやるかはあなたの自由だ。


グローバル単位でそれを行ったわかりやすい例は、「謎の千葉県出身シンガーソングライター・ピコ太郎」を名乗った芸人、古坂大魔王だろう。


2016年の夏、彼は10万円の自腹をきって、1本の動画を作った。タイトルは「ペンパイナッポーアッポーペン」。

たった69秒しかない、短いシュールな楽曲動画である。


だが、それがYouTubeにアップされると、またたくまに世界中で話題となった。


彼はもちろん、あらかじめ「世界規模のヒット」を狙って動画をアップしたわけではなかった。


インタビューでも、大切にしているのは、自分の「面白い」「楽しい」をシェアしたいという思いだと語っている。


自分が好きなもの、楽しいと思うものを形にしたら、それに世界中の人が反応してくれた。一つにつながった世界では、こうしたグローバル級のヒット現象が当たり前のように巻き起こるのだ。


このことから導き出せるのは、「やりたいことをやればいい」というシンプルな結論である。


やりたいことをやり、大切にしたいものを大切にすれば、それに賛同する人が必ず現れる。


モノやお金の価値が最小化されていく社会では、誰にどれだけ支持されているか、共感されているかが重要な意味を持つ。


逆に、モノをどれだけ持っているか、お金をどれだけ持っているかは、人の人生を決定づける要素にはならない。

つまり、「所有」のために「やりたくないこと」に従事する時代は終わったのだ。


戦争は激減し、人々の寿命は飛躍的に延びた。貧しい人が逆転できるチャンスも、100年前とは比べものにならない。

これからは、人がやりたがらない辛い仕事のほとんどはAIやロボットがやってくれるようにもなるだろう。


人類はもう、モノを奪い合ったり、嫌なことを押し付けあったりして暮らす必要はない。足りないところへモノや情報を運ぶ仕組みは、着実に進化を続けている。


こうした世界の中で人々が求めるのは、素朴でポジティブな感情だ。


あらゆるSNSに設置されている「いいね!」ボタンは、時代のニーズに応えた機能だと言える。


これからの時代に重要なのはむしろ、「やりたいこと」のためにどれだけ本気になれるかだ。


なぜなら、支持や共感を得られるのは、心からやりたいことをやっている人だけだからである。