皆さんは疲れを感じたとき、どのような過ごし方をしますか? 


寝だめをしたり、家でゴロゴロしてカラダを休めている人も多いかもしれません。しかし、それは疲れをとるために必ずしも効果的とはいえないでしょう。

 

実はカラダを動かさずじっとしているよりも、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動などをとり入れることで、コンディションを向上させることができるのです。


アクティブレスト(積極的休養)とは


アクティブレストとは日本語で「積極的休養」と呼ばれ、その名の通り積極的にカラダを動かすことによって疲労回復効果を高める方法です。


「カラダを動かすと、さらに疲れるのでは」と思う人がいるかもしれません。

しかし運動などでカラダを動かすと、血行がよくなって疲労物質の排出が促され、疲労回復の効果が高まるのです。


実際にプロアスリートも試合翌日を完全休養とはせず、軽い運動・練習(アクティブレスト)をとり入れ、その翌日に完全休養をすることも少なくありません。



パッシブレスト(消極的休養)とは


一方、カラダを動かさずに休息する方法を「パッシブレスト(消極的休養)」と呼びます。


睡眠をとったり、家でゆっくりするなどの疲労回復方法は、このパッシブレストに分類されます。



アクティブレストにはいくつかの種類があります。


ストレッチ


疲労が溜まっているときは、筋肉の張りが強く関節の可動域が狭くなったり、筋肉の張りによる違和感や疲労感、痛みなどが現れたりします。


ストレッチを行うことで縮まった筋肉を伸ばして血行をよくし、関節の可動域の改善や筋肉の張りの改善をすることができます。


なお、ゆっくりと筋肉を伸ばすスタティックストレッチでも、カラダを大きく動かしながら筋肉を伸ばすダイナミックストレッチでも、どちらも効果的です。


「筋肉が固くなるということは、全身に張り巡らされた毛細血管が圧迫され、血液循環が悪くなります。すると筋肉は酸素不足・栄養不足になり、疲労物質を除去できずさらに固くなります。それが体の不調の慢性化、負のスパイラルへとつながるのです」



軽いエクササイズ


ストレッチ同様、軽い負荷でのエクササイズは筋肉の血行をよくし、疲労回復効果を高めます。


トレーニングしようとすると、本格的に取り組んでしまう人がいるかもしれません。しかし、ここではあくまでも休養のためと割りきり、ごく軽い負荷で行うようにしましょう。



ウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動


ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も疲労回復に効果的です。

また、一定のリズムで動作を繰り返す有酸素運動は、幸福ホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の分泌を促します。


このセロトニンは精神の安定をつかさどって気分を高揚させる働きを持ち、不足すると精神状態が不安定になります。


怒りっぽくなったりうつ病のような症状を引き起こすだけでなく、不眠や過食などカラダにとって悪影響を及ぼすことが知られているのです。


有酸素運動は、心身の疲労を回復するために効果的な方法といえるでしょう。



運動があまり得意ではない人も、運動する前は少し気分が重かったけれど、運動を終えた頃には「なんだかスッキリした、気持ちいい」と感じたことがあるのでは。これは、偶然起こった現象ではなく、必然の現象です。体を動かすと交感神経が活発化し、物事を前向きにとらえやすくなります。また、β-エンドルフィンの作用で気持ちが高まり、幸せな気持ちになります。


さらに、運動を継続することでドーパミンの分泌が盛んになり、ワクワク感も増加します。そのほか、セロトニンの作用で心身が安定するため、ストレス解消にもつながるでしょう。このように、運動は身体だけでなく、心にも良い影響を及ぼす効果がたくさんあるのです。



入浴


入浴は、水圧・温熱・浮力の効果を活用することで疲労回復を促します。ぬるめの温度のお風呂にゆっくり浸かることで、心身ともにリラックスすることができるでしょう。


疲労感が強い場合は、冷たい水と交互に入る交代浴も効果的です。

運動後は、シャワーで済ませる人が多いかもしれません。しかし疲労回復のためにも、しっかり入浴することをオススメします。


「湯に浸かると浮力による筋肉が弛緩されカラダが緩み、ぬるめの湯なら副交感神経が優位になってリラックスします。リラックスしないと疲労の回復はないので、疲れたなという日はぬるめで自分が『心地よい』と感じる温度の湯に入ることをおすすめします」



プールなどの水中運動


入浴同様、水圧や浮力を得られる水中での運動は、疲労回復に効果的です。


水圧は筋肉を圧迫しマッサージ効果を得ることができるほか、浮力は重力から解放して緊張を緩和させ、カラダにかかる負担を減らすことができます。



アイシング


運動によって起こる炎症を抑えるためには、アイシングが効果的です。


運動後に痛む部位があれば、すぐにアイシングを行うようにしましょう。

アスリートの場合、疲労回復のためにアイスバス(氷水のお風呂)に入るなどして、全身を一度にアイシングすることもあります。



日常生活の疲れにもアクティブレストは効果的


 アクティブレストは、運動後の疲労回復だけが目的ではありません。日常生活での疲れを感じた際も効果的な方法です。


たとえばデスクワーク。デスクワークの人は日頃からカラダを動かす機会が少ないため、筋肉の緊張が強く関節の可動域が狭くなりがちです。


そんな人は、ゆっくりカラダを休めても疲労感の回復にはつながりません。

カラダを動かす方が、よほど疲労回復効果が高いのです。もちろんデスクワークの人だけでなく、肉体労働の人も同様です。



買い物、散歩などでも効果的


運動に乗り気でなければ、ショッピングなどでも構いません。外を歩く、散歩するくらいの運動でもアクティブレストの効果は期待できます。


プロアスリートのように土曜日はアクティブレストの日、日曜日は完全休養の日などと分けて考えるとよいかもしれません。休日を使って、積極的にアクティブレストを行うようにしましょう。



疲れを溜めないように疲労回復はこまめに


忙しい現代、勉強や仕事、もしくは競技スポーツなどでは、知らず知らずのうちにカラダに疲労が蓄積していきます。


重要なのは、疲れが溜まって痛みが出たときの対処ではなく、疲れを溜めないように日頃からアクティブレストを行い、こまめに疲労回復すること。


アクティブレストを日常生活の中にとり入れ、コンディション管理に役立てましょう。