自分に課せられた苦悩をどのように引き受けるか。
『どのように』苦悩するかにこそ、『何のために』苦悩するかという問いに対する答えがある。
私たちが何のために苦悩するのか。
苦しみは何のためにあるのか。
人生において、これほど辛い出来事が何のためにあるのか。
つまり、苦しみの意味は何か。
すべては姿勢に、苦悩に対する態度にかかっているのです。もちろん、その苦悩は、運命と呼べる必然的な苦悩でなければなりません。そのような苦悩だけが、意味を実現できるのであり、態度価値の実現を可能にするのです。
苦悩する人間が、『どのように』苦悩するかによって、『何のために』苦悩するか、という問いに対して出す答えは結局無言の答えです。
決して、いつも悩んでばかりいて、暗い顔をしている人が素晴らしいと言っているわけではありません。
いつも眉間にシワを寄せて、「人生は難しい」と語っている、いつも鬱々として暗い表情をしている人。
そういう人が、ときとして重厚な人と勘違いして受け取られることがあります。
そういう「気難しい」人を称賛しているのではありません。
そうではなくて、どうしようもない悩み。
自分の人生のなかで、これは引き受けざるを得ないという悩みに直面したときに、それから逃げず、敢然とそれを引き受ける。
その苦悩の引き受け方にこそ、苦しみの意味はかかっている。
つまり、人間が悩み、苦しむことの意味は、自分の人生に与えられた運命とでも言うべきものに対して、どのような姿勢で向かい合うかにかかっている。
