主体性とは、どんな状況においても「自分の意志」や「判断」で責任を持って行動する態度や性質のことを指します。
つまり「主体性」がある人は、状況に応じて自分が何をすべきかを考え、判断し、行動できる人ということです。
主体性に似た言葉として、「自主性」や「当事者意識」が使われることもあります。
「当事者意識」とは、文字通り「自分に関係があるという意識を持つこと」。
言われたからやるのではなく、言われなくてもやる、自分で考えて行動するという意味合いで使われることが多い言葉です。
「思考停止」「指示待ち」これらは、主体性と相反する概念です。
誰かに何かを指示されないと動けない、自分で考えることを放棄しているなど、いずれも受動的な状態を指します。
<主体性がある人の特徴>
- その時々の状況でやるべきことが自分で判断できる
- 他の人に言われなくても行動を起こせる
- 自分のことだけでなく、他者のことを考えられる
- 自分の行動に責任を持てる
- ミスや失敗が発生しても言い訳をせず、改善策について考えられる
このような特徴がある人は、主体性がある人だと言えます。
「主体性」と「自主性」は、目的意識の高さと、思考の深さという点において異なります。
「自主性」の上位互換が「主体性」となります。
「自主性」がある人は、あらかじめ決められたことを率先して実行・実践します。例えば「挨拶をする」や「掃除をする」といった、会社のルールがあるとします。自主性がある人は、これらを上司や同僚に言われずとも率先して実施します。
「あらかじめ決められたこと」という点が重要で、決められたことに対して前提を疑ったり、目的の深堀りをするところまでは思考が及びません。
一方「主体性」がある人は、なぜそれをやらなければいけないのか、目的は何なのかまで考えることができます。先の例でいうと、主体性がある人は「挨拶をするのが我が社のルールです」と言われたときに、「なぜ挨拶をしなければいけないのか」を考えます。
仮に挨拶の目的が「社内のコミュニケーションを円滑にすること」であれば、部署を超えた社員同士が交流する機会を企画したり、社内SNSを導入したりと、他の打ち手を立案するでしょう。
逆に、「主体性」と「自主性」で共通する点としては、「誰に言われなくても行動ができる」ということが挙げられます。
<主体性・自主性がある人の特徴>
- 上司や同僚に詳細に指示されなくても業務を推進できる
- 事業課題・経営課題を特定できる
- 自分のことだけでなく、チームや会社、顧客など関係者のことを考えられる
- アクションに対するリスクを予め予測し、それらを予防できる
- 想定外のミスが起こった場合も他責をせず、何をしたらミスが最小限に抑えられるか、どのような仕組みを作れば事前に予防できるかを考えられる
「そこまではできていなかったな……」と思う内容もあるのではないでしょうか。
自ら考えて行動できる主体性がある人は、企業にとっても魅力的な人材であることが多いです。
面接で「この人は主体性があって魅力的だ」と思ってもらうために、気をつけたいことが2点あります。
1つ目は、協調性がないと思われないようにすること。
主体性がある人の特徴として「指示されていなくても動ける」とお伝えしましたが、伝え方を誤ると「言うことを聞かない人だ」「突拍子もない事をする人だ」と思われる可能性があります。
そのような誤解を生まないためには、主体性がある行動を取った結果、組織や事業の課題が改善したことや、その行動の背景・思考プロセスをセットで伝えると良いでしょう。
2つ目に気をつけたい点は、自主性と混合しないようにすることです。
自主性は「言われたことを率先してやる」ということで、自ら課題を発見したり、状況に応じてやるべきことが判断できたりする「主体性」とは異なります。
自主性はアルバイトの面接ではPRポイントになるかもしれませんが、自ら考え、行動ができる人材を求めている企業にとっては持っていてあたりまえの要素です。「それってただ言われたことを率先やっているだけでは?」と思われないよう、主体性と自主性を区別しましょう。
<主体性・自主性を高める方法>
- 当事者意識を持たせる
- やるべきことを明確にする
- 考えさせて、自分で動く流れを作る
- 意見や行動を否定しない・任せる
- 自主性・主体性について本で学ぶ
