問いの悪い者には答えるな。答えの悪い者には問うな。説の悪い者には聴くな。争気のある者とは弁論するな。だから、必ずその然るべき道に法(のっ)とって来ればはじめてそれに交わり、その然るべき道に由るのでなければそれを避けるべきである。従って体つきがうやうやしいときにはじめて道のおおよそを語りあうことができ、ことばつきがやわらかいときにはじめて道の義理(ことわけ)を語りあうことができ、顔色がやわらいだときにはじめて道の極地を語りあうことができる。従ってまだともに語るべきでないのに語るのを傲(さわが)しといい、ともに語るべきなのに語らないのを隠すといい、あいての気色を観ずに話すのを瞽(めくら)という。だから君子は傲でも隠でも瞽でもなくわが身を謹慎する。


金谷治訳注『荀子(上)』青 岩波文庫「巻第一 勧学篇第一 八」より。
インターネット上で「それらしき文」を見つけ、思い出してひさしぶりに手に取りました。解釈・意訳は自由でいいと思いますが、出典を書かなければ他の人が確認できないでしょうに。手元にあるのは1997年発行。


「ズレた質問をする人には回答しない」
「ズレた回答をする人には質問しない」
「ズレた自説を語る人の話は聞かない」
「喧嘩する気満々の人とは議論しない」

前半の四つで、トラブル回避。

「話す時期でないのに話す 傲(ごう さわがしい)」
「話す時期なのに話さない 隠(いん かくす)」
「相手の様子を見ずに話す 瞽(こ めくら)」

後半の三つで、わが身を自制・自省。

『荀子』は紀元前三世紀に書かれました。



荀子 上 (岩波文庫 青 208-1)/岩波書店



荀子 下 (岩波文庫 青 208-2)/岩波書店