これからは「軒先たぬき」も描いてゆこう。

毎日散歩しているとよく出会うのだ。

軒先の、ためき、獅子、うさぎ、犬、猫の置物たちに。

たいがいは、中国の「風水」からきていて、来福、厄除の意味があるようだ。

軒先で　人を眺める　狸たち

梅雨入り後の晴れ間に。

2024年6月24日月曜日。

まずは地元の本郷から。

たぬきがいる。家の近くの胸突き坂の途中に。

急坂をのぼるわたしを庭の奥からいつもじっとみている。

でもたぬきはいい。こころ和む。

家のすぐ近くにも傘をかぶり徳利と通帳をさげたたぬきがいた。

狸の置物は、

昭和10年代、京都の陶芸家である藤原銕造という人が
縁起物として作ったのが始まりとされている。

信楽焼のひとつだ。

狸を「他より抜きん出る」を意味する「他抜き」と読み、

そこから商売繁盛を願うものとして置かれ始めたようだ。

また、その狸の姿から、

８つ願いがはいっている八相縁起（はっそうえんぎ）の置物とも呼ばれている。

１．笠

狸の置物が被っている大きな笠は、思いがけない災いや悪い出来事から守ってくれますように

２．大きな目

周囲をよく見渡して、お客様にいつでも目配り、気配りができ、正しい判断ができますように

３．笑顔

自分自身もお客様も笑顔になってもらえますように

４．大きなお腹

安心感のある大きなお腹は、大きな器、大胆さを持ち合わせられますように

５．徳利

飲食に困らないくらい、人徳と利益が得られますように

６．通帳

ツケ払いができるほど信頼関係がお客様と築けますように

７．玉袋

金運がアップしますように

８．太いしっぽ

終わりよければすべてよし！ちゃんと最後を迎えられますように

うさぎの置物も3つあった。

これはアジサイのうしろにそっと立つうさぎ。

傾向として園芸好きの家の前には置物も多いようだ。

本郷には「金魚坂」という金魚屋さんがあり、いまは建て替え中なのだが、

レストランだけ開業していて、その前に小さな銀のうさぎが2羽。

うさぎだけ「匹」でなく「羽」と数える。

徳川綱吉が「生類憐みの令」を出し動物を殺め食べることを禁じた。

しかし、庶民は、うさぎだけは「鵜」と「鷺」と称して食べ続けた。

「羽」はそれ以来という。すこし悲しい話だ。

外壁柵の隙間からのぞいているうさぎもいる。

うさぎも、縁起の良いものとされている。こんなふうに。

大きな耳は、情報収集能力が高いことを示し、社交運をアップさせる。

うさぎは「寂しがり屋」で他との繋がりを求めるので縁結びに良い。

うさぎは「不老不死の薬を作る」とされ長寿や無病息災の効果がある。

獅子も2匹いた。ライオンがモデルのようだ。

これは菊坂の樋口一葉が住んだ家の前。

階段下に小さい獅子がいる。

門の隙間からそっと覗く獅子もいる。

獅子も縁起がいい。

怖い顔をしている獅子は魔除けとして昔から親しまれてきた。

沖縄のシーサーも天災から守る神という。

風水では、獅子は「吉祥瑞獣」と言われ、邪気を祓う力があるとされ、

重要な施設の入口に置かれている。

財産運や仕事運を高めるとも言われている。

ふくろうもいる。

ふくろうは、洋の東西を問わず「知恵」をあらわしているようだ。

ほぐすと、4つの意味があるらしい。

学業を上げる、不を払う、直感を上げる、人間関係をよくする。

かえるもいる。

カエルは、世界中で「福が返る（かえる）」と思われている。

豊作や、雨を降らせるための神の使いとしても大切にされている。

象もいる。

大きくて長生きする象は、「安定」や「信頼」を意味し、

「仕事運」を高めると言われている。

猫もいた。アート作品の猫だ。

猫は運気をもってきてくれるとされている。

代表は「招き猫」だ。

虎もいる。

前記した「金魚坂」のうさぎの隣にいる。

虎は、その迫力ある姿と威厳から勇気、力、冒険の象徴とされている。

独立性と自由の象徴でもあり、自分の道を歩む勇気と決断力を促す。

目標達成に向けて果敢に行動することの大切さを思い起こさる。

さいごに犬。

多かった。3匹いた。

ネットをめくると、縁起は良くないようだ。

運を外へ持っていってしまう意味があるという。

増える犬を飼う人にとっては、そんな縁起より愛着が勝るのだろう。

これからは、ときどき、この「軒下たぬき」たちもレポートしてゆく。

軒先で 人を眺める 狸たち

軒先で　人を眺める　狸たち