弁護士の城田先生に示談することや、希望する慰謝料の金額や支払い方法などを伝えた数日後、
私は刑事の吉本さんに電話で示談にした旨を伝えた。
吉本さんの反応は
「いいけど…………そうすると橘さんの被害届を取り下げることになっちゃうけどいいの………?」
だった。
この時の吉本さんは、
「私(橘)が辛い思いをして被害届を出したのが無駄になってしまうけどいいの?」
という意味で聞いてきたのだと思った。
そして刑事さんでも、「赦さないけど、示談にする(赦さないけど、民事上ではこれ以上請求しない)」という示談の方法を知らなかったのだ。
私が泣きながら詳細を説明すると、吉本さんは
「え!?そんな方法があるの!?」
と言ってすごく驚いていた。
吉本さんは
「それは泣かなくても大丈夫だよ(笑)」
と言ってくれた。
私はお世話になった刑事さんに対して、「示談にした」ことが、すごく後ろめたい気持ちだったし、
何よりやはり「示談にする」という言葉を使うのはとても悔しかった。