母は友達とのお出掛けから帰ってきて、すぐ私のところに来た。






母「七菜子、どうした?」






と、前日の「家族バラバラで生活したい!」と発言した時とは打って変わった表情で私に話しかけてきた。








私は母が友人と出掛けている間、






刑事の吉本さんに迎えに来てもらい、取調室で吉本さんと日村さんに父のことを全て話し、






母が「家族バラバラで生活したい」と言ったことも話したことを説明した。







母の表情は一瞬で暗くなり、







「あぁ…………そう…………」







とだけ言った。










母は世間体を気にするので、







「え?………何でそんな家族の恥ずかしいこと、刑事さんに話しちゃったの?
よりによって、何で刑事さんにお父さんのこと話しちゃったの?」







と思い、私を恨んだのだろう。






また、カウンセラーさんとも電話で今の状況を話し、グループホームと、生活保護を受けながら独り暮らしすることを勧められたことも話した。








すると母は、ずっと暗い表情で、







「七菜子の好きにしなさい。」






と言った。







また、






「明後日の午前中に、カウンセラーの佐々木先生から電話が入るから、お母さんも言いたいこととか聞きたいこととか話してね。
お父さんにはカウンセリング必要ないって先生には伝えたから。
それにお父さんにカウンセリング受けたことがバレると怒られそうだし。」







とだけ言っておいた。







母はずっと暗い表情でいたが、泣きたいのは私の方だったので、







「吉本さんが『被害にあった人に『頑張れ』ていう人は聞いたことがない。』て言ってた。

あと、吉本さんも日村さんも、あたしのこと『もう頑張ってるよ』って言ってくれたの。」








と、刑事さんたちが話を聞いてくれたことが、どれほど救いになったかを泣きながら話した。










母はその日、寝るまで終始暗い表情をしていたが、翌日の朝、私が眠っている時に、父に私のことについて話していたらしい。