吉本さん「被害者のご家族からよく聞くのは、
どう接していいか分からない』ていうのが多いかな。
ただ、被害にあった方に家族が『頑張れ』て言うのは聞いたことがないです。







やはり、うちの父は異常だった。







日村さん「あとは、親御さんにはどうしても言えないっていう人もいる。







私も実際、通報どころか、家族にも誰にも言わないという選択肢が頭によぎったので、家族に言えない被害者の気持ちは想像がついた。







日村さん「てゆーか七菜子ちゃんもう十分頑張ってるよ。
捜査にもいっぱい協力してくれたし。」






吉本さん「うん。十分頑張ってるよ。あんなに嫌な思いしても戦ってるんだもん。」







私はこの時涙が止まらなかった。







日村さん「あと、結婚しても、幸せになれる人もたくさんいるし、結婚で人生が悪い方に変わっちゃう人もいるからね。結婚は絶対にしなきゃいけないものじゃないから。」






吉本さん「(結婚なんか)しなくていい!」






私「はい、(結婚)しなくていいです。」







*私も吉本さんも、結婚している方を非難している訳ではありませんし、性被害にあって結婚された方もいます。

その人たちに対しても「結婚できたんなら、被害にあったの嫌じゃなかったんじゃない?」とは全く思いません。








私「これからどうしていけばいいのか分からなくて…………。
一番いい方法は、私があの家を出ていくことなんですけど、まだ独り暮らしをするのが怖くて………。」







吉本さん「お姉さん夫婦に一緒に住まわせてもらうとか?赤ちゃん(姪っ子)の面倒を見るからって言って。」






日村さん「義理のお兄さんはいい人?」






私「いい人です」






日村さん「あとは妹ちゃんと二人暮らしするとか」





私「妹に嫌がられそうな気がします………(笑)」






日村さん「何で~?仲良し姉妹じゃないの~?」






私は妹が大好きだ。





だからこそ、精神疾患持ちの私と2人暮らしをさせるのは、妹が可哀想だから出来ない。






かといって、姉夫婦の家に住むのも嫌だった。
義兄はいい人だが、やはり気を遣う。





そして一緒に住めば、私は無料で雇える姪っ子のベビーシッターになるだろう。






私がこんなことを考えていると、日村さんが






「多分お母さん本当は七菜子ちゃんと一緒に暮らしたいと思ってるよ。
言葉の弾みで言っちゃっただけで。」






私「そうですかねぇ……」






この文章を書いている今もそうだが、母は父と口を利かない私に対して、恨んでいるとしか思えなかった。






日村さん「あとは、お父さんの声とか足音とかは聞き流しちゃいな。」






吉本さん「お父さんて家事はするの?」






私「料理だけは作りたがるんですけど、後片付けはしませんし、自分で料理するって言った割には『何で俺ばっかりやらなきゃいけないんだよ!』て機嫌が悪くなります。」








吉本さん「めんどくせ!!」







と、私の気持ちを代弁してくれた。







吉本さんが一緒になって父の悪口を言ってくれたのが嬉しかった。