最後の検察庁の取り調べから数日後、犯人が住居侵入、強盗、強制わいせつ罪で公判請求されたことが検察庁から届いた封筒でわかった。





封筒が届いたその日、検事の秘書の工藤さんから連絡が入った。






工藤さん「私、◯◯検察庁の木村の秘書の工藤と申します。」





私「お世話になってます。」





工藤さん「犯人の弁護士から連絡がありまして、犯人側から100万円を預かっているそうなので、会ってお話が出来ないかということなのですが、いかがしますか?」





私はこの時、吉本さんが、「犯人は必死で金をかき集めている」という話をしていたことを思い出したのと、






たった100万円で許されると思ってる辺り、死ぬほど舐めているなと思い、怒りで頭がいっぱいになった。








私「それは、示談にするっていうことですか?」





工藤さん「『示談にする』とは言ってないです。現金を用意したことと、向こうの弁護士が橘さんに会って話がしたいということだけ連絡が入りました。」








私「私は向こうの弁護士に会うのも嫌なので、私が国選弁護人を雇ってから、弁護士同士でやり取りしてもらいたいんですけど、それでも大丈夫でしょうか?」







工藤さん「はい、大丈夫です。」








私「では、国選弁護人を雇います。ご連絡ありがとうございます。」








と会話が終わり、「早く国選弁護人を探さないと」と焦っているときに、今度は刑事の吉本さんから連絡が入った。










吉本さん「連絡遅くなっちゃってごめんね。◯◯法律事務所の城田先生(仮名)ていう………あ、女性の先生だよ!城田先生のところに電話してみて。


先生には簡単にしか事件の内容を伝えてないんだけど、多分先生が橘さんの自宅の近くまで来てくれて、話を聞いてくれるのかもしれない。


1時間無料で聞いてくれるみたいだから、分かんないこととかあったら、たくさん聞いていいんだよ。」







吉本さんが国選弁護人の候補になる人、しかも女性の弁護士を探してくれたのは本当にありがたかった。






私「何から何までありがとうございます。


あと、先ほど検事の秘書の工藤さんから連絡があって、向こうの弁護士が犯人から100万円預かっていて、私と話がしたいとのことだったのですが、私は向こうの弁護士とも会いたくないので、国選弁護人を雇ってから、弁護士同士でやり取りしてほしいと伝えました。」







吉本さん「え?たった100万でどうにかなると思ってるの?ムカつくね。
犯人の弁護士になんて会いたくないよね。
いいよ、弁護士さん雇ってからやり取りしてもらえれば。」







そんな会話をした後、私は弁護士の城田先生に電話をした。