吉本さんは、うちに来た犯人とは別の性犯罪者について話し始めた。











吉本さん「私が数年前担当した事件で、強姦魔がいたんですよ。しかもそいつ、分かってるだけで何回もやってたんですよ。


そいつも結婚してたんですけど、そいつの奥さん『私がいないとあの人ダメだから』と言って離婚しなかったんですよ。


私その時、奥さんに罪はないけれども、『おめぇみてぇな女がいるから、そいつがまた調子にのって他の女の人が被害に遭うんだよ』て奥さんにも怒りを感じたんですよね。」








吉本さんの話を聞いて、私はまず、強姦魔が本当に存在することにも血の気が引き、







うちに来た犯人同様、そんな奴に限って結婚していることにも驚き、






さらに自分の旦那に強姦されている女性がいっぱいいて、








その被害者たちが人生を奪われ、







拷問のような取り調べを受け、








何なら自殺しているかもしれないのに、離婚をしないと言うイカれた女がいることに非常に苛立った。










私「その離婚しない女は、そいつが刑務所から出たら、一瞬の目も離さないで、鎖で繋いで24時間見張っとけよって感じですよね。」








と、吉本さんに言ったとき、これでうちに来た犯人の妻も離婚しなければ、私は全く同じことを犯人の妻に要求するだろうと思った。








後は、







「犯人がお金をかき集めているらしい」







「相手の弁護士はクズだから、ずっと黙秘させている」







「携帯電話の解析を進めているんだけど、七菜子さんの画像だけまだ出てきてないんだよね。」







等と雑談をしながら、自宅まで送っていってくれた。







自宅に到着した時、吉本さんはまた3回目の取り調べの時に迎えに来ると言って、警察署へ戻っていった。








私は自宅に入り、洗面所で手を洗おうとした時、ちょうど遊びに来ていた生後数ヶ月の姪っ子を抱っこした母が洗面所に来て、泣きながら








母「七菜子頑張ったね………辛かったね………」







と涙声で片手で背中を擦ってくれた。








私「ハアっ…………本当に……本当に辛かった…………うぅぅううううう………」







と私が声をあげて泣き始めたので、姪っ子が心配し、泣きながら私の背中をトントンとしてくれた。









その日の夜、友達のミナちゃんから連絡が入り(ミナちゃんにはこの日、検察庁で取り調べがあることを話していた)、







「今日はお疲れ様。返信不要だよ。」








とメッセージがあった。








姪っ子の労いと、ミナちゃんからのメッセージの効果もあり、








その日の夜は睡眠導入剤と安定剤2種類を3錠ずつくらい飲んで、死なずに寝ることが出来た。