検事の木村さんは、被害者の私に、今後の手続きなどを早口で説明した。




難しい言葉や、初めて聞く言葉ばかりだったので、全く理解できないまま説明され、資料を渡された。







・法テラスで、被害者参加人という制度に入ると、被害者の資産が200万円未満であれば国選弁護人を雇える



・裁判に被害者が証人尋問で参加する場合、犯人や、傍聴席から見えないように衝立で被害者を隠すようにするか、ビデオリンク方式(犯人がいる場所とは別の部屋で、モニターを使って証人尋問を行う)になる。



・証人尋問になった場合、犯人の弁護士からきついことを言われたり、聞かれる。





この内容くらいしか理解できないまま、検事の話を聞きながら、



「証人尋問なんて死ぬほど嫌だな…………」



と、頭の中で思っていた。






これからのことを話した後、検事は母のことを配慮し、母を待合室に待たせて、私と事件の内容を確認し始めた。



この時も刑事の吉本さんはずっと一緒に取調室にいてくれたのが非常にありがたかった。







検事には、


「それ今までずっと刑事さんたちに話してきたけど?」


という内容を何度も質問され、その度に私は事件のことを思いだし、気を失いそうになりながら必死で答えた。






事件の内容を何度も確認した後、検事は私に「今の心境を聞かせてください。」と言い、秘書の工藤さんがパソコンで入力しはじめた。





私は泣きながら犯人に対する怒りや、今の体調、生活する上で出来なくなったことなどを話し、最後に





「私の画像をどこに隠したのか。あと、前から私や私たち家族のことも知っていたのか。私があの家にいることを知ってて入ったのかを知りたいです。」




と言った。