黙りそうにない父親はついに、
「俺は子育て失敗した!!俺がちゃんと育てなかったからいけなかったんだ!!」
と、結婚、出産をしようと思わない私に対して、はっきりと"失敗作"と言いはなった。
私は親にとって"失敗作"であることは、ずっと前から知っていた。
ただ、このタイミングで言われるとは思ってなかった。
その後は『俺が一番可愛そう』と言うように、自分のどうでも言い話を酔いしれながら話してきた。
「俺は定年退職して、毎日毎日家にいて、ナンプレやって…………生きててもどうしょうもないなって思ってる。」
正直そんなことはどうでもよかった。
私は父にカウンセリングが必要かどうか聞いただけだった。
でも、ここまで自分のことしか考えてない上、
性被害でボロボロになった私に対し、
ここまで罵倒できる元気があるのなら、父にはカウンセリングは必要ないだろうと思った。
その後も父は自分のことや、私に対する不満をぶちまけ続けた。
よりによってこの日は父の定年退職のお祝いをするため、店で夕食を取る予定だった。
父と一緒に居たくなかったが、一人で留守番をするのも怖かった私は、父と一緒に出かけるという選択肢しかなかった。
母と一緒に2階の自分の部屋に着替えに行くと、母は涙目になりながら、
「本当に酷いこと言うねぇ………」
と言い、さらにぎゃんぎゃん泣いている私に
「言い返しなさい!!」
と、1階にいる父にも聞こえる大きな声で私に怒鳴った。
私は泣きながら
「無理だよぉ…………全然話し聞く気ないもん………」
と言った。
私は父のサンドバッグにされた後、父、母、私の3人で車で店まで移動した。
母の怒鳴り声を聞いて、少し焦った父は、移動中の車内で「ごめんね」は絶対に言わなかったが、私を気遣う素振りだけ見せた。
「被害にあった人の主な症状………」
「被害にあった方は一人で抱え込まず、いつでも専門のカウンセラーに電話してください………」
と、県の警察のホームページに書いてある内容を声に出して読んでいた。
私はそのホームページの内容も、とっくに読んでいたし、
「そんなの頼んでねぇから、謝らねぇなら話しかけんなよ」
と思った。
私は父が謝っているところを見たことがない。
父はいつだって自分が正しくて、都合の悪いときは他人のせいにするモンスターだ。
私たちはそのまま妹の待つ店で合流し、夕食を食べた。
ここまで苦痛だった食事は過去一番だった。