気絶寸前でクタクタになって帰ってきた私に、父は
父「刑事さんに送ってもらったのか?」
私「そうだよ。」
父「やっぱ送迎くらいはしてくれるんだな。
イフ(姉)が前に△△駅で痴漢捕まえて事情聴取した時に、うちの最寄り駅までの交通費が出たって喜んでたぞ(笑)」
と笑いながら話しかけてきたので、そんな父に対して、
「何がおもしれぇんだよ」
と思い、そばで頭を抱えている母にも気づかず、父は一人で楽しそうに笑っていた。
私は目の前にいる父を見て、
「コイツは本当に娘を持つ父親なのか?」
と疑問に思い、私にコイツの血が通っていると思うと恐怖でしかなかった。
私は自宅で性被害に遭い、
死ぬほど嫌な思いをして、
何十回も嫌な記憶を思い出しながら、死ぬ気で被害届を出してきたばかりなのに、
どうしてこんなふざけたことを実の父親に言われなければならないのだろう。
てゆーか何で笑っていられるのだろう。
後日、母がなぜ笑ってあんな話が出来たんだと、父に問い詰めると、
「七菜子が少しでも明るくなるように、笑いながら話した。」
と言っていたらしい。
それで私が明るくなると思うことが、私には全く理解出来なかった。
ちなみに姉は、
「交通費をもらえたことも覚えていなかったし、そもそも痴漢に遭ったから警察署に行った訳なので喜んでいるはずがない」
と言っていた。
昔から父は人を追い詰める天才だった。
そのモンスターぶりはどんどん私を追い詰めていく。