マネキンを使った事件の再現の撮影が終わった後、





後日、犯行現場(私の自宅)で刑事さんたちが、





今度は実際に事件の内容を再現して撮影するという予定だったが、





私の体調を気遣ってくれた吉本さんが免除してくれた。







正直、マネキンを使った再現だけで気分が悪くなり、呼吸をするのがやっとなくらい苦しかったので、免除になったのが非常にありがたかった。








この日の最後に、私は吉本さんと二人きりになり、吉本さんが私の証言した事件の内容を文章にし、間違いがないかどうか私が添削していた。








すると吉本さんが








「これは最初に聞くべきだったんだけど、被害届は提出する?
もちろん提出すると、これからも犯人逮捕に協力してもらうことになるから、もっと辛い思いをさせちゃうと思うんだけど………。」






と気を遣って聞いてくれたことに少し驚いた。







私は事件の被害に遭った時点でずっと辛い。






これからもこの苦痛をずっと死ぬまで味わっていかなければならない。





忘れることはない。





どうせずっと辛いし、こういうバカはまた別の被害者を作るに違いない。






何ならもうすでに、他にコイツの被害者がいて、その被害者が自殺しているかもしれない。







私に"被害届を出さない"という考えは1ミリもなかった。






私「こういうバカはまたやると思うんで、他に被害者を出さないようにするためにも、絶対に捕まえてほしいので、被害届を出します。」






と言い、この日私は被害届を提出した。






ここからが私の戦いだと思い、私の人生がもっと辛くなる覚悟をした。