事件当日の夜、強盗に入られたことを知っている父が、いつもの時間に帰宅し、




父には私のパンツ1枚の姿で写真を撮られたことと、下着を盗まれたことを母が話していた。








その日の父は


「七菜子、嫌な思いしたね。」


とだけ言った。






父がいつもの時間に帰宅したのは、私が刑事さんに事情聴取をしている間、昼飯を食べていたからである。







私の父は、私達が幼い頃から一度も子育てをしたことがなく、





妹が小学生の時に高熱を出して、母が法事で留守の間、半日1人で外出し、小学生の私と姉に妹の世話をさせても平気な人だった。






なので、私が強盗の被害に遭っても、絶対に半休なんて取らないだろうと分かりきっていた。







後に妹も帰宅し、母がうちに強盗に入られたことだけを伝えると、妹はすぐに、私がレ✕プされなかったかどうか聞いてきたらしい。






妹の気持ちがすごく嬉しかった。






*姉のイフは、結婚して別宅に住んでいるので、妹と同じ内容を母が電話で伝えていた。







私は犯行現場の2階の自室にはいたくなかったので、この事件の日を境に1階の両親の部屋で一緒に寝ることにした。





まず、着替えを取りに行かなければならず、1人では怖いので、母と狭い階段を手を繋ぎながら上っていった。







私は階段を泣きながら上り、犯人が触ったタンスを開け、下着や着替えなどを適当に抱え、また泣きながら1階へ降りていった。







自分の家のはずなのに、こんなに恐怖で落ち着かないことなんてあるのだろうか。







私は自分の部屋にも恐怖し、





犯人がまた復讐しに殺しに来るかもしれないと怯え、





その日はお風呂に入って、犯人が触った体をよく洗い、





ご飯を一口も食べられないまま布団に入った。





この時もずっと





「どうなっているんだろう......
何が起きているんだろう......
何であたしは2階の自室で寝てないんだろう.....
お風呂に入ったとき見つけた肘のアザは何なんだろう......
今日の刑事さん達は夢だったのかな.....」






となかなか現実を受け入れられず、






その日は入眠導入剤と安定剤を2種類飲んでも、明け方まで一睡も出来なかった。









事件の日の翌朝、事件当日も来てくれた男性刑事さん達が家に来てくれたので、着替えていなかった私はパジャマ姿で慌てて挨拶した。






昨日、防犯カメラの写真を見せてくれた刑事の日村さん(仮名)が、ニコニコした笑顔で




「怖かったでしょう。大丈夫だからね。」




と気を遣ってくれたのが嬉しかった。




刑事さん達が去ったあと、父から信じられないようなことを言われた。