母は私に



「この事は、イフ(姉)とキュウ(妹)には話さないで。」




と言ってきた。







その一言に、ショックと共に呆然とする私に、続けて母は





「強盗に入られたことは話しても、下着姿の写真を撮られたことは黙っておこう。
聞くほうも辛いし、七菜子も話すの辛いでしょ?」






確かに聞くほうも辛いだろうし、話すほうも辛い。






ただ、私はこの状況で、母が真っ先に姉と妹の心配をされることのほうが辛かった。






それに、こんな辛い思いをしたことを、姉と妹に上手く隠し通せる自信が無かった。






私は3姉妹の真ん中で、いつだって後回しにされ、いつだってろくに心配されなかった。






それは私が一番の出来損ないだからだ。






でも、殺されるかと思うくらいの恐怖を味わった今日くらいは、一番に心配して欲しかった。








母にとっては、被害にあったのが私で良かったのだ。






これが私でなく、姉か妹だったら、母はもっとショックを受けていただろう。






この日私は、処女を失うことは無かったが、人生を奪われた。