耕すや鳥さへ啼かぬ山陰に  芭蕉


米の諺は多くあります。

主食であって見れば当然の事で、

農耕に関する事も多くみられます。


育てる事、天候の事、働く事に分けられます。


『田を作るより畦を作れ』

良い田を作るにはまず畦作りからです。


『歪み八石直く九石』

稲を歪んで植えると八石だが、

まっすぐに植えると九石の収穫がある。

何事も最初が大切です。


『稲は刈旬百日 植え旬一日 麦は刈旬一日 蒔き時百日』

稲は刈る時期を百日遅れても構わないが、

麦はその逆に育てる事。


『米は三日の植え潮に百日の刈り潮

麦は三日の蒔き潮に三日の刈り潮』


『薄田で米取れ 厚田で藁取れ』

浅い田は実りが多く、深い田は茎ばかり伸びる。

目的に合った作り方をする事。


『稲は萎え稲を刈れ 麦は男麦を刈れ』


『秋の稲妻千石増す/稲妻は豊年の兆し』

稲妻は稲に良い影響をあたえるようです。


『秋上げ半作』

秋の長雨は仕事もはかどらず作物も痛み、

田作りから始まった苦労も実らず、収穫が半減します。


しかし最終的には本人の勤労意欲です。


『一種 二肥 三作り』

種や肥料に神経を使うのは当然の当然の話ですが、

最後の決め手は手入れです。


『田畑に肥料は主人の足跡よりよきはなし』


『作りに足跡程きくものはない』

ここへきて始めて諺らしく人生の教訓になります。

主人が率先して農作業に励めばすべてにまさります。


『来年の果報は今年の稲で待つ』

まずは今を大切に精一杯生きる事です。


『一粒に百の功当たる』

米一粒作るのには百回の手間がかかるといいます。

米作りの人々の汗を思い大切に味わいたいものです。