風邪のメカニズムと治し方②
前回メカニズムについてお話ししました。
今度は治療編です。
まず何らかの原因で体表の衛気が弱ります。(過労、睡眠不足など)
風寒の邪が体表に入ってきます。→寒気がする。
そいつのせいで体内の陽気が出ていけず、体内にこもる。→発熱。
これを治すには色々ありますが、手っ取り早いのは陽気を補えばよい。
体内に陽気がこもっているから発熱するのですが、
通常陽気は勝手に外に出ていく性質があります。
しかしこの場合、陽気が弱くて出ていけないので、
更に陽気を増したら今度は陽気が元気いっぱいになって出ていけるのです。
そうなれば体内の陽気は発散され、発熱が治ります。
そして陽気は衛気となって体表を護るので、風寒の邪も追い払えます。
万事解決です。
ではどうやって陽気が出ていくかというと、そう。
汗になって出ていくのです。
「汗をかいて風邪が治った。」
というのはこれがメカニズムです。
ではすべての風邪は汗をかけば治るのかと言ったら、もうお分かりですね。
そんなはずはない。
風寒の邪が体表より内へ入ってしまったら全く別のアプローチになります。
便秘や吐き気など、臓腑に入ってしまった場合などですね。
また、寒気がなく発熱が強い場合も別ですし、様々な種類があります。
今回はあくまで一例です。
では今回のケースで風呂に入って汗をかくのは?
風呂に入るのは、陽気を増やさずに汗をかいて陽気を出してしまっているので、
一時的に熱は下がるかもしれませんが、余計身体は弱ります。
大事なことは、内からしっかり陽気を高めて発散させることです。
布団で寝るのは重要で、休んでる間に身体が頑張って陽気を高めてくれます。
ですので熱が上がることもありますが、それは陽気が増えているということです。
ある程度増えたら、風寒の邪を払って外に出ていきます。
・・・つまり?
解熱剤とは?
風邪薬って・・・
この話をすると70時間くらい止まらなくなるのでやめておきましょう。
鍼灸治療例
12才・男児
9月末、寒気がして発熱。37度後半。無色透明の鼻水もある。汗は出ない。
夏に陽気を発散させすぎて、急に寒くなったときに寒邪にやられたのでしょう。
そのまんま陽気を補って治すパターンです。
陽気を補い、汗をかいたら治ります。
無色透明の鼻水は冷えです。寒の邪がいます。
通常12才ですと陽気の塊のような身体ですから、
それが風寒の邪と争うときは、相当激しい戦いになります。
即ち、激しい発熱がバッと出ますが、そうならずに微熱が続くような場合、
普段から陽気の弱りがあることを示唆しています。
普段元気いっぱいの小学生が寒邪によりいきなり高熱を出したら、
内からじっくり陽気を補うのではなく、寒邪を直接ぶっこ抜くような治療になります。
東洋医学では、風邪には風邪薬という処方はありません。
鼻水出てるから止めてしまえということもありません。
全体を診て、原因にアプローチします。
「風邪は万病のもと」といいますが、風邪が万病に繋がるのではなく、
風邪をひきやすい身体の状態が万病に繋がります。
風邪をひかない身体作りが大切です。
定期的に全身調整をおこなっておけば、風邪をひきにくくなります。
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