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私の実家のすぐ近くにある伊勢丹府中店が今年の9月いっぱいで閉店になるそうです。

 

前々からなんとなく噂はあったものの、去年正式に分かりました。

 

古くからのデパートが閉鎖になったり、鉄道が無くなったりするニュースって時々ありますが、沢山の人達が集まり涙を流している、必ず流れる映像を見たことは何回もあるはずなのに、今までその気持ちが実感として分かっていなかったと、今回初めて感じました。

 

「府中の伊勢丹」

といつも呼んでいた伊勢丹府中店が無くなると分かった時のショック、悲しさは自分でも驚く程。

 

生きてきた思い出、特に子育ての思い出の中にこんなにも府中の伊勢丹とその周辺の情景がくい込まれているのかと。

 

「駅前にデパートが出来るらしいよ!」

 

と母に教えてもらい、楽しみにしていた建物は伊勢丹でした。

 

「こんなに近くにデパートが出来るなんてラッキーだね!」

 

その時、すでに私は結婚して府中を離れていましたが、しょっちゅう実家に行っていましたし、子供が出来てからは産休の間も、子育て中もなにかと両親の助けをかりていましたので、府中は子供達も地元に近いほどの土地勘があります。

 

父は伊勢丹の向かい側にある大國塊神社にリハビリがてら毎日母と散歩に行っていました。

 

父は森林系の学者でしたので、木のたくさんある神社が好きだったのかもしれません。

 

私は実家に行くと子供2人を両親に預け、伊勢丹やその周辺のビルを歩き回り、買い物したり1人でお茶したりストレスを発散したっけ。

 

子供達は、父1人に預け、母と2人で歩き回ることもしばしばでした。

2人で洋服を見て買って、生ジュースコーナーでジュース飲んで休んで、また買い物して帰る。

母娘2人で思う存分歩き回るのは楽しかった。

 

どこに何が売っているか、隅々まで把握していて、店員さんの顔見知りも何人もいました。

 

母は、特に子供服売り場でいつも子供達の服を買ってくれていましたので、店員さんは母のために虎太郎と虎子に合うサイズをとっておいてくれて、母が来ると倉庫奥からバーゲンなどの服やサイズが減った服などを沢山出してきてくれて、母はそこから選んで買ってくれましたので、子供達はいつも母の選んでくれたしっかりした服を着ていました。

 

「お孫さんのサイズはお兄ちゃんはこれと妹さんはこれですよね」

 

と母と店員さんが話しているのを聞いて、私が居ない時もどれだけ母が来ているかを感じたものです。

 

「府中の伊勢丹、なくなっちゃうんだってー」

 

と去年、虎太郎に言った時、

 

「まじかぁーー。えー。やだなぁー」

 

私と同じぐらいショックを受けていました。

 

「おじいちゃんとお散歩の帰りにいつも寄ったんだよなぁ。初詣で1000円もする風船買ってもらったのに、帰りにお店の針にひっかかって割れちゃったのも伊勢丹とこだったー」

 

おじいちゃんとの思い出の場面が次から次へと浮かんでくるようです。

 

「閉店の9月までになるべく沢山行かなきゃね」

 

と私に言いました。

 

そして、おじいちゃんが亡くなった後もそれまでのように府中に初詣に行くようにしていましたが、今年のお正月、虎太郎は一眼レフのカメラを持って行きました。

 

「伊勢丹のある府中のお正月の風景は最後だから撮っておくんだ」

 

冬で日が短い時期なので、午後に到着してから急いで虎太郎が撮ったという写真は、日暮れの写真になりましたが、とても良く撮れたと思いました。

 

「ありがと!良い思い出になるね」

 

と言うと、あらためて写真を見ながら、虎太郎、

 

「あー、最後かぁ。寂しいなぁ」

 

先日私は、休みの日、1人で府中に行きました。

 

駅で降りると改札。

ここにいつも父と母が立って待っていてくれた。

子供達はおじいちゃん、おばあちゃんと大きな声で呼んで駆け寄って行ったなぁ。

 

手を広げて待つ父母がはっきりと思い出されます。

 

そして、デパートへ、

子育てでくたびれて自分の身なりに気が回らなくなっていた時期、ここを歩き回って洋服を見て歩くだけで元気が出て来て、

 

「あたらしいシャツ買ってキチンとしたいな」

 

と気持ちのリセットになりました。

 

母といつも待ち合わせたコーナーの椅子に座ってみる。

 

母は今はもう歩けないので待ち合わせは出来ません。

 

母が杖をついてやっと歩けていた頃、まだ生きていた叔母と3人で待ち合わせしたのもここだった。

 

車イスの叔母を向かえに行って、母が来るのを叔母と待っていたことも何回もありました。

 

なかなかこない母をいつも叔母が心配してたなぁ。

待ち合わせの度にどんどん来るのが遅くなっていましたからね。

 

伯母と母をつれてきた洋服の階。

叔母が車イスから服を選び、母にもカーディガンなどを買ってあげていたっけ。

 

3人で食べた中華料理。

いっぱい頼んでも叔母と母はすぐお腹いっぱいになるもんだから、いつも私にのこりを食べろと言い、私はお腹がパンパンだった。

 

今は叔母も亡くなってしまい、もう待ち合わせはできません。

 

1人で伊勢丹と伊勢丹周辺をゆっくり歩き、あちこちで思い出にひたり涙が出ました。

 

父や叔母や元気な母とまた来たかったな。

会いたいです。

 

いつも買う洋服屋さんも閉店に向けてセール中でしたので、仕事用にブラウスを買いました。

 

「9月で閉店なんです。寂しいです」

 

と店員さんも言っていました。

古くからのお店の方も思いは同じですね。

 

思い出の情景の中には建物がある。

建物の中にも思い出が詰まっている。

 

「最後の⚪⚪」

 

に集まり手をふる方々の気持ちがやっと本当に分かった気がします。

 

本当に寂しいけれど。

子供達が成長するように。

街もそうやって成長するということでしょうかね。

 

来月、ラストの月なので、あと何回かは行ってみようと思いました。

 

伊勢丹府中店ありがとう!