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うちから徒歩1分程で着く夫ウシオさんの実家はとても変わった形のおうちです。
私が結婚する3年程前に建てたとの事でしたが、結婚する事になり初めておうちに行かせて頂いた時は、その複雑さにびっくり。
一応4階建てなのですが、上からみるとコの字型で、真ん中は小さな中庭になっていて木などが植わっています。
「奥の部屋が暗くならないように真ん中を開けたのよ」
とウシオ母は言いますが、部屋がその分小さくなるのですから、良いのか良くないのか微妙なところです。
部屋の配置も何かと変わっていて、ウシオさんは
「デザイン重視で使いにくい」
と言っていたのを思い出します。
建築関係のお知り合いにデザインしてもらったとか。
その庭も、結局お盆の時に火を炊く位しか使わず、本当に明かり取りにしては敷地もったいないな。
小さな平凡なマンションで育った私としてはついそんな風に思ったりしていました。
1ヶ月程前、ウシオ実家に行くと、ウシオ母が楽しそうに言いました。
「ちょっと、虎白さん、見てごらんなさい♪」
そう言うと、階段の所まで私を引っ張って行き、窓から中庭を指差して言いました。
「あそこに鳥が巣を作ったのよ!」
みると、竹の木に、絵にかいたような鳥の巣らしい鳥の巣があるのが見えます。
「わぁっ!!ホントだー!」
私はびっくり。
こんな近くで見るのは初めてです。
「ね!良く見て。中に卵が2つ見えるのよ」
ウシオ母と2人でガラスに顔をくっつけて見てみると、上手に出来た巣の中に白い卵らしきものが見えます。
「すごいですねぇ!」
「でしょう?」
「鳥のママは来るんですか?」
「来てますよ。ちゃんと暖めてますよ」
ウシオ父が寝ている部屋は鳥の巣よりも少し下になりますが角度が変わるので、今度はそちらに移動して窓から観察。
少し見上げる形ですが、良く見えます。
「静かに見ないとね。驚いちゃうと来なくなっちゃうから」
ウシオ母とそんな事を話ながら見ていると、ママ鳥が飛んできました。
「あっ!来た!」
ママ鳥は巣に乗っかりどっしりと座りました。
「暖めてる!」
まっすぐ前を向いてじっと卵を暖めるママ鳥の姿はなんだかとても感動します。
「ひなが生まれると良いけれどねぇ」
とウシオ母もニコニコしながら眺めます。
「楽しみねえ」
「ホント、楽しみですね」
それからウシオ実家に行く度に、巣の様子を見るのが楽しみになり、行くと何度も見るようになりました。
ウシオ母も毎日見ている様で、ちょっと、ママ鳥が不在だと心配になり
「卵あっためないのかしら?」
と言ったりしていました。
時にはパパ鳥が来て、近くで見守っている時もあり。
ちゃんと生まれて巣立ってくれるといいなぁ、と。
風が強く吹き、木が大きく揺れれば
「巣が落っこちないかな」
雨が強く降れば
「卵は大丈夫かな」
見えてしまうといろいろ心配です。
でも、コの字型の真ん中にある中庭の木ですから、自然の中としては何処よりもコンクリートで風よけになっているし、うまい具合に竹の葉っぱが伸びて覆われ、上からも見えにくくなっているので、カラスからも見つかりずらいでしょう。
鳥がそこまで計算していたかは分かりませんが
「ホント、いい場所に巣を作ったと思うわ」
と、ウシオ母も我が事の様に満足げでした。
そして、先週ウシオ実家に行った時の事。
私は仕事関係の用事で慌ただしく、10日程ウシオ実家に行っていませんでした。
少し様子見があいてしまったけど、鳥はどうなっただろう。
順調ならそろそろ生まれているはずだよね。
と、思いながら、ウシオ母に聞いてみました。
「鳥、どうなりました?」
ウシオ母の返事、
「それがねぇ・・」
ウシオ母によると。
ひなは無事生まれ、3羽も居たそう。
元気に鳴き、親が運んでくるエサを口を開けてよく食べていたそうで。
ところが人間と同様、鳥の兄弟も個性があるようで、3羽のうち1羽がえらく元気で大きかったんだそうです。
巣の中でも1番元気に動く大きな赤ちゃん鳥。
ある時、ママもパパも居ないときに、何を思ったのか!
飛び立ってしまったんだそうです。
まだとても飛べる成長ではないのに、ママ達を見ていて、飛べると思ってしまったのでしょうかね。
巣を飛び出してパタパタしたものの、まだまだ飛んでいく能力はありません。
パタパタしながら下に落ちてきて、なんと、ちょうどウシオ父の部屋の窓の外の出っ張りに乗っかったそうです。
偶然にも見ていたウシオ母は急いでウシオ父の部屋に周り、窓をそっと開けました。
じっと見つめあうひなとウシオ母。
エサをあげようとしてみても、上を向いて口を開けるだけで、自分でくわえたりはとてもできません。
困ったウシオ母はなにかあげられないかとキッチンに行こうとしたその瞬間。
またまた赤ちゃん鳥は宙に向かって飛び出してしまいました。
そして、パタパタしながら下へ下へと落ちていってしまったそうです。
「それで、見つからなかったの」
とウシオ母。
その上、3羽の子供達の1羽が居なくなったら、なんと、親鳥は巣に来なくなってしまったんだそうで、
「きっと残りのひな達は巣の中でそのままね・・」
そんな・・
育児放棄か。
子供が1羽いなくなったら、親鳥はその場所は危険と判断したのかもしれません。
それで、残りの子を置いていっちゃうんですね。
自然って厳しい。
あんなにがんばって卵を暖めたママ鳥だから、きっと、子供達が元気に巣から飛び立って行くのを見たかったろうなぁって、勝手に自分と重ねてママの気持ちに共感する私。
うちの2人の大きなこども達はまだ飛び立たなそうですが。
元気に飛び立つまでしっかりと見届けたいですね。
空っぽになった巣が少し寂しいですが、今までろくに眺めもしなかった中庭をイヤってほどよく見た1ヶ月でした。
ところであの子はなんの鳥だったのかなぁ。