昨年秋にブログをはじめて以来、書くネタを思いつかない日は、なんだかんだ言い訳をしたり誤魔化したりして乗りきってまいりましたが、そんな自分の現状に、昔読んだ小説をふと思い出しました……。

 

それは──

 

清水義範著「深夜の弁明」

 

〆切に追いつめられた作家が、編集者にたいして言い訳やお詫びを長々と書き連ねるというお話。

この作品に出会った当時、わたしはまだ学生(か会社員)だったし、小説なんて書きはじめてもいなかったし、したがって自分が物書きになるなんて想像すらしていなかったので、ただ他人事としてお気楽に笑って読んだだけでした。

しかしその後、わたしもなかなか笑えないような日々を過ごすことになり。
 

いま思い返してみると、なんだかものすごく共感できますよ。

あれはコラフェリを書いていた日々のこと。


〆切一週間前くらいになると、それから毎日、編集さんから状況をたずねる電話がかかってくるようになり、またわたしは、恥ずかしながら一度たりとも〆切を守ったことがないので、〆切日を過ぎても原稿が上がるまで、毎日毎日、催促電話に怯えていたわけですが……

電話がかかってきそうな時刻が迫ってくると、わたしはもはや原稿を書くどころではなくなり、「今日はなんて言い訳しよう?」と、必死になって頭をしぼったものでした。
 

ええ、本末転倒ですよね。

言い訳を考える暇があったらさっさと原稿を書け、って話ですよね。

わかってます。
 

しかし、当時はそれくらい怖かったんです。編集さんの電話が。

 

で、今日もね。

 

ブログのネタを考えるより先に、ブログが書けなかったときの言い訳をさがしている自分に、はっと気づきまして。

 

成長してないな、わたし……。


うん。もう言い訳がましいことを書くのはやめよう。


書けなかったら書けなかったと正直に……いや、その手もすでに使ったことがあるか。

それも違うバージョンの言い訳だったわ。


もちろん、この文章も言い訳です。