はい。本日は昨日とはまた違うタイプの、がつんとくる一冊をご紹介。

〈Hidden Legacy〉シリーズの一冊目。

蒼の略奪者 (mirabooks)

 

イローナ・アンドルーズ

ハーパーコリンズ・ジャパン

 

カバーとタイトルで早々に判断してしまわないようにお願いします。

 

一見、いまどきのフツーのロマンス小説のようですが、中身は違う。
 

そうですね。あえてなにかに例えるならば──
 

かつて人気を博したアメリカのTVドラマ「HEROES」のような世界で繰り広げられるロマンス小説、とでもいいますか。

 

HEROES シーズン1 バリューパック [DVD]

 

マイロ・ヴィンティミリア

ジェネオン・ユニバーサル

 

能力者がばんばん出てきます。
 

というより、主要登場人物はほぼみんな、なんらかの魔力の使い手です。

 

しかも。
 

ヒーローもヒロインも、持ってる能力はひとつだけではございません。

この人たち、欲張りっす!

 

しかし、それだけ能力を持っていても、生き延びるのはたいへん。
 

陰謀まみれ、弱肉強食の世界で、みんながみんな血で血を洗う戦いを繰り広げます。

というか、能力を持っているとそういう世界に引きずり込まれてしまうので、主人公のネバダ(職業は探偵)は、はじめのうち、自分の力を隠しているんですけどね。

しかし、だんだんそうもいかなくなってきて、最後にはすべての秘密が白日の下に。

 

イローナ・アンドルーズというのはご夫婦のペンネームで、旦那さんが元軍人というだけあって、武器とか爆弾とか軍隊とか戦闘とかの描写には気合いが入っています。

 

しかし、それでいながら実は──女の子好みのド直球ロマンス小説だ! どうだあっ!(どーん!)

 

て感じです。ええ。

 

ガチガチのシリアスではなく、いい感じにユーモアもあるし。

脇をかためるキャラも楽しいし。

 

あははっ! と笑えはしなくても、ときどきくすっとできて、思わず夢中になって読んじゃうたぐいのお話ですね。

 

ネバダを主人公にしたお話は三冊で完結。


そして、ネバダの妹カタリーナを主人公にした新しいシリーズがはじまり、いま一冊目が出たところです。
 

蒼玉のセイレーン (mirabooks)

 

イローナ アンドルーズ

ハーパーコリンズ・ジャパン

 

こちらのほうがロマンス要素はやや強いかな……?
 

いや、どうだろう。


単にヒーローの性格の違いかもしれん。
 

最初のシリーズのヒーロー、ローガンは典型的な硬派の傲慢男ですが、新シリーズのアレッサンドロはちょっと女に手がはやい感じですから。

まあ、そう見せかけてるだけだろうけど。
 

ますます楽しみなシリーズでございます。😊