★2014年からの約3年間、台湾で日本語教師として過ごした日々の思い出です。
昼間の授業がなくなってぽっかり時間が空いた時、ちょっとのんびりしたくなったら向かう場所がありました。
孔子廟
台南の孔子廟は、鄭氏時代の1666年に建てられた台湾最古の孔子廟です。孔子廟は儒学の創始者である孔子を祀ると同時に、儒学を広めるための学問所としての役割も持っていました。当時台湾の中心だった台南に建てられたこの廟は、「全台首学」と呼ばれる政府直轄の最高学府でもあったそうです。
門に掲げられた「全臺首學(全台首学)」の文字
台南孔子廟は「左学右廟」という構造。
「左学」(=ここでは敷地の東側)は、現在の学校にあたる「国学」で、明倫堂、文昌閣という二つの建物があり、「右廟」(敷地の西側)には、孔子をお祀りする「文廟」があります。
明倫堂内部
明倫堂は、教室にあたる場所でした。
文昌閣
文昌閣には文昌帝君や魁星爺という学問の神様が祀られています。科挙(昔の官僚採用試験)の合格を祈願する学生たちがお参りに来ていたそうです。
1階は四角形、2階は円形、3階は八角形という面白い構造の建物です。
さて、私、この孔子廟に入る前に寄る場所がありまして。
それは克林台包という包子(パオズ)=中華まんのお店
「閒閒小魚出遊中」さんのHPから画像をお借りしました
孔子廟のすぐ近くというか、ほぼ向かいにあるお店。
左側の、緑が見える辺りが孔子廟です。
こちら、いろいろな種類の中華まんがあります。いわゆる肉まんといった塩味のものから、芋餡などの甘いもの、その他いろいろな変わり種まで。
同じく「閒閒小魚出遊中」さんのHPから
私はこの中の羅勒起司包(バジルチーズまん)が好きで、必ず1つはこれを購入。そしてその日の気分であと1~2個。お気に入りを手に孔子廟へ向かうのです。
孔子廟の中は、ベンチもあって公園のようにのんびりくつろぐことができます。平日の昼間は、観光客の姿もまばらで本当にのどか。
ベンチに腰掛け、お気に入りの中華まんを頬張りながら、ぼ~っと過ごす時間。
ああ、自由だな…
異国の風景が日常になったことに、「ああ、外国で生活しているんだ」と実感する。今振り返ると、それがまた達成感みたいでうれしかったのかもしれません。すごく贅沢な時間だったんだなあ。
…なんて格好良く決めてみましたが、実はあんまりぼ~っとしてもいられないんですよね。台南の日差しはまさに焦げるというのがふさわしい強烈さ
対策をたてながら(?)ぼ~っとしないと、後でお肌が大変なことになるのでした
そうそう、リスを見かけたこともあったなあ (この写真は他の公園で撮ったものですが) 緑が多い場所なら、街でも生息できるんですね。
別の日に、またベンチでバジルチーズまんを食べていたら、チョロチョロ~っと走ってくる影が。「わ!リスだ!!」と喜んだら、ネズミだったなんてこともありました。(しっぽが細かったんですよね…
) そのままベンチの下に走り込んで来た時は、どうしたもんかなと思いましたが…これもいい思い出です
孔子廟の向かい、「全臺首學」の門を出たところには泮宮石坊という牌楼(門)があり、その先(府中街という通り)は「孔廟商圏」という商店街です。食事、雑貨、いろいろな店が並んでいます。台湾らしい雰囲気の店だけでなくちょっとおしゃれな店もあって、ぶらぶらするのが楽しい通りです。
以前ご紹介した窄門珈琲館、莉莉水果店、台南愛国婦人館は、皆ぐるりとこの孔子廟を囲んだ通りにあります。癒やしあり、面白い発見ありの、孔子廟一帯なのでした。
(この一帯は他にも観光スポットがあり、「孔廟文化園区」といわれているそうです。)
孔子廟
住所 台南市中西區南門路2号
営業時間 8:30~17:30
克林台包
住所 台南市中西區府前路一段218號
営業時間 8:00~20:00