目の前にマンモスが現れた。サーベルタイガーが現れた。2メートル以上あるウォンバットが現れた。みんなはどうするだろうか。俺は逃げる。だって食べられちゃうから。全速力で逃げる。

 つまり、怖いと思ったら逃げればいいんだ。だって食べられちゃうから。

 現代にはマンモスはいないからそんな状況にはならないと安心してはダメだよ。なぜならね、ほんとに恐いのは人間なんだ。人間が進化していって、新たな大陸に到達した時と、その大陸にいた大型の生物が絶滅したのは同じらしいと言われてるんだ。だからね、ほんとに恐いのは人間なんだ。

 とは言っても全てに怯える必要はないんだ。自分が大切にしたい人、自分を大切にしてくれる人との時間が大切だと思うんだ。

 だから、いたくもない安心できない場所からは逃げよう。それはサーベルタイガーに怯える気持ちと大して変わりゃしないんだ。

 あまり言いたくないんだけど、人間の形をしただけのマンモスやサーベルタイガーはいると思ってる。人間の姿をしてるから分かりづらいんだ。分かりづらいからつらいんだ。だからね、少しでも違和感があったら逃げよう。多分それも勇気なんだ。

 だから逃げるのは恥じゃない。だって恐いんだもん。でももし、その恐怖から逃げられずにつらい思いをしてる人がいたら言いたいんだ。逃げてくれ。とにかく逃げてくれ。布団の中でもいいから逃げてくれ。俺が全力で抱きしめる。

 大丈夫。君は1番強くて、勇気ある選択をしたんだ。